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73.大蛇とマディと時々まものにゃ

 【出会わなければにゃにも出来ない怖くにゃい】作戦から、はや数時間

 もっとも…これは体感であって実際にどれくらいの時間が経っているかは分からない

 

 (ともかくこれは死活問題にゃ、いや?死亡問題かにゃ?)

 

 そんな自問自答じもんじとうを繰り返しながらマディは1つの結論に達していた

 

 (あの靄はきっと洞窟全体…とは言わにゃいけど かなりの範囲を取り込んでいるんだと思うのにゃ)

 

 だが、もしコレが事実だとすると困った事に選択肢が殆ど無くなってしまう

 

 なんせ洞窟はほぼ一本道で水辺は絶対に通る事になる。そうなれば、またあの正体不明の化け物と遭遇してしまうのだ…かといって ここで時間を潰しても靄によって死んでしまうことになる

 

 (これはいよいよ雲行きが怪しくなってきたのにゃ)

 

 何か…何かがつっかかっている。確かにもやに触れれば死ぬ

 そう、それは我が身を以て体験している。そのこと自体に間違いはない

 

 (本当に手はにゃいのかにゃ…?にゃーんか違和感があるんだにゃぁ…)

 

 何か切っ掛けさえあれば…この状況を打破するための閃きが起きそうなのだが

 

 こうしている間にも靄が迫ってくる時間が刻一刻(こくいっこく)と近付いているかと思うと気が気ではない

 

 (もしかしてこのまま、永遠に洞窟から出られにゃい…とか?)

 

 ゾクリと背筋に走った悪寒を振り払うかのように頭を振る

 

 こんなところで、めげている場合では無い。この道(転生)を選んだのは自分なのだ。何が何でも生き延びて神様が言う神殺しを倒してやろうじゃないかと気合を入れる

 

 そう決意した時、マディは自分でも気がつかずに拳を強く握りしめていた


 (緊張するなんてガラじゃないにゃいのに…)


 それに気が付いてゆっくりと拳を解くと…まずは、その前に無責任にも程があるあの神様をぶっ飛ばしてやろうと固く誓う

 

 (うーん、それにしてもお腹減ったにゃあ)

 

 自分の中で区切りがついたからだろうか?今までの緊張からずっと気になっていなかった空腹がマディを襲った

 

 (いつ靄がくるかは分からにゃいけど、お腹が空くのはしょうがにゃいよねぇ?)

 

 しかし、洞窟で食べられそうな物なんてあるのかな?と辺りを見回す

 

 (水辺の近くにいた蜘蛛…あとは大蛇くらいにゃ…流石にちょっとにゃぁ…大蛇?)

 

 (そうにゃ、大蛇にゃ!)

 

 ずっと気になっていた違和感の正体

 

 (なんであの大蛇は’生きている’んだにゃ?)

 

 恐らく、あの大蛇はこの洞窟に住んでいるのだろう、もちろん蜘蛛やほかの虫にも言える事だが、靄が洞窟に十万した後の生き物達はどうなったのだろうか?

 

 あの靄を出す化け物は、遭遇した後は洞窟から出ていってしまうが、もしかしたらこの洞窟を根城にしているのではないだろうか?


 だとすれば、この洞窟にいる生き物たちはあの靄に少なからず体制があるのではないか?


 無論、これは全くもって希望的観測に過ぎない

 

 (だけど…試してみる価値はあるにゃ!)

 

 そうと決まれば善は急げと、マディは大急ぎで大蛇のいる場所 目掛けて駆け出していた

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