66.スナック菓子が食べたいにゃ!
「ねーってばぁ、早くしてー」
本当にコイツ神様にゃのか…
相変わらず椅子に座りながら全力でダラける神様を見て、不信感を抱く
にゃけど
話を聞く限り本当なのだろう
おかしな話だが自分が死んだ自覚もある
神様ってのはみんなこうなのだろうか?
であれば、死ぬ直前まで儀式として自分が祈っていた森の神様ってのも碌なもんじゃないかもしれにゃい
「あー、今罰当たりな事考えたでしょー!」
さっきまでグータラしていた神様が突然立ち上がりこちらをズビシと
指差す
「にゃ、にゃんの事かにゃぁ?」
ほんとコイツはどうでもいい事に鋭いにゃ
「むー、そういうのは全部わかっちゃうんだからね! なんせ神様だし!」
もし神様を選ぶ選挙でもあるにゃら、直ぐに入れ替えた方がいいにゃ
そんなこんなで、マディは自分の能力を決めたのは、これから6時間後の事だった
「あんた…流石に悩みすぎでしょ…もう私、今日の業務半休みたいになっちゃったんですけど!」
「にゃはは…」
「もう、まぁいいわよ ほらさっさとやるわよ」
「選んだ能力は…神速ね、相手に見えないスピードで動けて、それを活かした攻撃も可能な汎用的ないいスキルじゃない、貴方は獣人だし、スピードをうまく使いこなせると思うわ」
神様は、うんうんと頷く
「では、汝に新たなる力を、授けん! その力を持って新たなる地で新たなる力を魅せよ! その為に、我は神々の如きー」
マディの体が光に包まれ
空中へと浮遊する
「にゃにゃにゃ…浮いてるにゃっ」
神様の詠唱は尚も続き
「全霊の統べる力を我は其方に、与えん事を誓う…その能力の名は! 神しょくっ、あっ…あーー」
コイツ、肝心なところで噛みやがったにゃ…
「あー…ごめんごめん、頑張って! 強く生きるのよ!」
「え、それっとどういう意味に……にゃああああああああーーー」
そして、空中へ浮遊していたマディは、びゅーんと、光の彼方へ消えさっていった
そして物凄く投げやりに仕事をこなした神様は
「まぁ、いっかー ちゃんと目的地には着くでしょ、次々っ」
次の来客へ天界の道を示す為、椅子に腰掛けると、さっきまで食べていたモノが空になっている事に気がつき
バリッ
おもむろに次のスナック菓子の袋を開けたのだった