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54/106

54.教団って一体なんなんだ?

「で、アプリコットの方はどうなっているんですか?」

 

 裁判が終わり、別室のソファで紅茶を片手に寛ぎながらレッドがシ・ハイニンへと語りかける

 

 対する口調とシ・ハイニンがレッドの横に立っている事からも二人の上下関係は安易に想像がつくだろう

 

「ダイジョブデース、ジケイダンニハ ワタシノシリアイイパーイ、アプリコットサマ テイネイニ アツカッテモラッテルデース」

 

「相変わらず、聞取りにくい喋り方しますねぇ、貴方は まぁいいでしょう」

 

 それにしても、とレッドは続ける

 

「あの凶夜って奴は面白いですねぇ、アプリコットを殺さなかった甘さも評価出来ますし、教徒から聞きましたが不思議な魔法を使うとか」

 

 アプリコットは確かに狂人ではあるが、決して馬鹿ではない

 大方、今回も悪い癖が出たんだろう

 アレは少々自分の趣味に走り過ぎるきらいがある

 

「…しかし」

 

 それでもアレがそう簡単に負けるとも思えない…一体どんな手品を使ったのか…。レッドは顎に手を当てて一考する

 

「ま、本人に直接聞いてみれば良いことです。でも口を塞いでおかないと使われちゃうんでしたっけ?その不思議魔法」

 

 まるで全て分かっているかのように自問自答して軽薄に笑う

 

 と、その時ドアがノックされた

 

「失礼します、ライムです」

 

 レッドは、シ・ハイニンへ目配せをする

 

「ハイリナサーイ」

 

 シ・ハイニンはその意図を汲み取り通達する

 どうやらこういった感は良いようだ

 

「お休みのところ、すみません」

 

「いいですよ、ところでどうしたのですか? あいつらの処分は既に決まったと思いますが?」

 

 ずばり意図を当てられ、ライムの顔に僅かな緊張が走る

 

「いえ、やはり不服申し立てをしてきておりまして…私もやはり事件が起きてから処分を決めるまでが急すぎるのではと…」

 

「アナタハ ソンナコト カンガエナクテイインデース ケッカガハヤカローガ オソカローガ カワリマセーン」

 

「そうですねぇ、私もそう思いますよ?」

 

「でも…」

 

 ライムは二人を交互に見て口ごもる

 

「はぁ…明日になれば私が呼んでいる魔術師が着ます そうすればアプリコット様を連れて教団本部に戻るだけですし、良いでしょう、そうしたら彼等は貴方に任せますよ…で、よろしいでしょうか?シ・ハイニンさん?」

 

「エ、エエ シカタナイデース」

 

「しょ、承知しました では失礼します」

 

 ライムは悩みが解決した様に顔を晴らすと部屋から出て行った

 

 それを見届けたあと、レッドは長い髪をかき上げ

 

「ちゃんと私の上司らしくしてくれないと駄目じゃないですか? わかってます?」

 

「ス、スミマセーン…」

 

「まったく、一応は貴方がこの裁判所のオーナーなんですからね? 教団が金を出しているとしてもです、アプリコットが捕まったと聞いてこんな田舎まで来てみれば既に貴方がいるじゃないですか? それなのに仲間の1人も救えない無能ですし、何故かアプリコットも地面にへばりついて動けないしで…まぁ、あれは笑えましたけど」

 

 紅茶を飲み干しカップをテーブルへ置く

 

「ハ、ハァ…」

 

 そんな、シ・ハイニンを一瞥すると興味を無くした様に視線を外し

 

「それにしても、魔術師が来るまで暇なんですよね、あの不思議魔法を使う凶夜と、魔眼使いには興味がありますね、ピンクのは…」

 

 あれは別にいいかと

 

 そう言い、レッドはニヤリと笑った

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