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50/106

50.ツルリからのキラリでよろしく!

 (…このままでは、納得のいかないまま処刑されてしまう)

 

 必死にこの場を逃れる方法を模索するも、何も思いつかない自分が恨めしい


 (そもそも、村の危機だったドラゴンを倒し、さらには世界を滅ぼしてしまうかもしれないような魔王の誕生を阻止したのに処刑されなきゃあかんのだ!)

 

 理不尽極まりない

 

「被告人、何も言う事は無いのか? 無いなら無いでよいが」

 

 裁判長であるライムが、凶夜の発言を急かす

 

 その目は、凶夜が犯人であると決めつけている。何故そんなに自信を持てるのだろう…なんか証拠でもあるんだろうか?

 

 (証拠なんてないはずだ、だってなんもやってねーんだもん。くっそ…早く裁判を終わらせたいオーラ出しやがって)

 

 俺がへっぽこパーティでここまで来るのにどれだけ苦労したかも知らないくせに

 

 心中で悪態をつくが、ともかくここは話を進めなくてはならない

 

 いいぜ、全部話してやる

 

 ・

 ・

 ・

 

「…と、これで全部だ。そもそも、ドラゴンを倒して被害を抑えただけでも表彰ものじゃ無いのか!?それに黒幕はアプリコットだ、それはギルドにも確認して貰えば分かる!」

 

 ドラゴンから魔王の下りまで、いかに俺が苦労して戦ってきたかを雄弁に語ってやった。途中、傍聴席からもドラゴンを個人で倒すなんて…と驚きや疑いの声が上がったが、ミールが「この目で見た!」と言って黙らせてくれた。ちょっと感動した。ルークがいないと無能!とか、初級魔法製造機!とか、頭お花畑とか思っててすまん。

 

 (でもまぁ、確かに信じられないよなぁ。スロットの能力部分は伏せて話したし)

 

 だが、アプリの魔王誕生計画?についてはギルドという社会的にも強い証人がいる

 

 (ふっ…勝ったな。一時はどうなることかと思ったが)

 

 と、気を緩めたその時

 

「ソレニハ オヨビマセーン!」

 

 今まで黙っていたシ・ハイニンが突如として割って入って来る

 

 (こいつ…)

 

「まだ、こちらの発言は終わっていないはずだ!」

 

「いや、発言を認める」

 

 ライムがシ・ハイニンへ発言を促す

 

 一瞬、シ・ハイニンの唇が緩んだ

 

 まさかとは思うが、こいつら

 

 グルなのか…?

 

「ショウニンヲ ヨビダシマース!イエース!」

 

 ツルリと丸まった自分の頭をペシっと叩いて、そう高らかに宣言した

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