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32.一体何が目的なんだ!?

「さぁ…キョウヤ様を出して差し上げて」

 

 アプリの声を皮切りに、伏せていた男が立ち上がり牢獄の鍵を開ける

 

 牢獄から出られるのは喜ぶべきなんだろうが、この状況だとそうも言えないな…どうする?ハッキリ言って何がなんだか全く分からん。もう少し様子を見るか…アプリの目的も不明だし

 

 ガチャリと牢獄の鍵が開き、アプリが手を差し出す

 

「さぁ、キョウヤ様。私と共に参りましょう」

 

 逡巡し、凶夜はその手を掴んだ

 

 毒を食らわば皿までと言うし…どっちにしろ教団を探るには避けて通れない道だ。せいぜい死にイベントじゃない事を祈るしかない

 

 アプリはその手を強く握り

 

「ぐっ…」


(コイツッ馬鹿力すぎないか!?なんなの?どんな握力してるの!?)

 

「キョウヤ様…教団について知りたいのでしょう?コソコソ嗅ぎまわっているって有名ですのよ?ふふ、まるでワンちゃんみたいですね」

 

 と、ニタァと笑みを浮かべた

 

「あ、そうなの?そいつぁまいったな…そんなつもりなかったんだけどなぁ…」


気まずさから反射的にアプリから顔を反らし、だらだらと冷や汗が流れるを拭った

 

(やばいわ、これ早くもピンチなんじゃ…ていうかバレバレじゃん!どっからバレたんだよ!?)

 

「特にピンクと青いお嬢さんが教団について何か知ってる事を教えてーって、大声で叫んだり、ビラを撒いたりしていたって話はどこにいても耳に入ってきましたわぁ」


(100%あいつ等のせいじゃねーか!マジで使えねーな!戻ったら覚えてろよ!!)


「…でも、大丈夫、私の愛は真実の愛ですの、ちゃぁんと教えて差し上げますわぁ。ちゃーんとね…おい」

 

 アプリの指示によって、傍らの男は何やらブツブツと唱え、地面に魔方陣らしきものが展開される

 

「さぁ、キョウヤ様。こちらへ」

 

 言われるがままに魔方陣に乗る

 

「なぁ、これ俺どーなっちゃうの?痛いのはやめてね?あとここ何処か教えて貰っていい?ねぇ!」

 

「そうですねぇ、この牢獄は村の地下なんですが…行き先は…ふふ、まぁ見ていれば分かりますわぁ」

 

 地下に牢獄?一体何のために、いや集団生活をしている以上は犯罪者くらい出てくるか

 

 …だったら必要か…でも見る限り俺以外は牢に入っている奴はいない様に見えるんだよな。あの落ちてる白いのは…骸骨じゃ無いよね?


「…痛いのは?ねぇ?」

 

「一瞬ですわぁ」

 

「何それ(こわ)っ、俺一瞬でどーなっちゃうの!」

 

 なんかもう、アプリが言うと全てが不安なんだが…

 

「あら、どうかしましたか? 私の愛を信じられない…のですか?愛を愛にぃ…キョウヤ様ぁ?」

 

「い、いや…めっちゃ信じてるよ!」

 

「…なら、いいですわぁ。さぁ」

 

 一体何処でアプリの感情が爆発するか分からない以上あまり逆なでしないほうがいいだろう

 

 そうこうしているうちに魔方陣の上に立ち、男がまたブツブツと何かを唱える


 村の中で魔法はご法度とか言ってたような…しかしこう目の前で簡単に魔法らしきものを使われるとそんなルールあって無い様なものだろう

 

 体が光に包まれ、気がつくと、レンガ造りの広い広場に出た

 

(ん、なんだ…ここは、何処だ)


 窓から外が見えるがかなり高い場所の様だ、なんとなくだが塔の様にも見える

 

(つうか気持ちわりぃし、頭も痛てぇ…これがあれかよく漫画で見る召喚酔いってやつか?そりゃ、こんな状態で戦闘は出来ないわな。1ターンくらい動けないわ…ってアレこれ何の話だっけ?)

 

「キョウヤ様、どうかなさいました?」

 

「うぉっ、あ、いや」

 

「うぉ?キョウヤ様…混乱しているようですわね…でも、もうすぐですわぁ…愛を愛にお忘れですか?あぁ…」

 

「あ、いや、全然意味わかんないけど…違うんだちょっと酔っただけで」

 

 アプリが、こちらを真顔で見ていて、はっきりいってめちゃくちゃ怖い顔が整っているだけ余計に恐怖が引き立つ


(なんなんだ!早く助けてくれ!誰でもいいから!)

 

「まぁ、いいですわ。こちらへ」

 

 アプリに言われるまま、奥にある扉へ案内されて男が扉を開き、奥へと通される

 

「なにこれ…」

 

 そこには、大量の何かの骨と、その骨の丁度中心…部屋の真ん中に当たる部分に大きな棺桶が置かれていた

 

(全然まったく見てもなんもわかんねーじゃねぇか!)

 

 …とは、この状況では流石に言えない

 

 さて、何があるかわかんねぇし、スロットを使う気構えくらいはしておかないとな

 

 アプリはスルスルと棺桶の前まで歩を進める。そして…

 

「さぁ、キョウヤ様、やっと私の愛を…愛の信徒になってくださいねぇ!そう、愛の魔王にぃぃぃぃ!」

 

 ぐるりと、顔だけをキョウヤへ向き、両手を広げ、絶叫した

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