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22.エクストリーム・ゴロツキ

 だめだ…

 

 最近薄々感じてはいたんだ…

 こいつら全く使えないのでは?って

 

「そ、そ、そういう凶夜さんは…どうなんですか!?」

 

 生意気にも、何の情報も手に入れてこなかったクラリに言われるとは。余計にムカつくが

 

 まぁいい、聞いて驚くがいい!

 

「俺か? 俺は直接会ってきたぞ?」

 

「…へ?」

 

 意味を理解していないのかクラリが素っ頓狂な声を上げる、フフフ…これから俺が言う内容を聞いてとくと驚くがいい!

 

「だからな?俺は教団の奴と直に話をしてきたって言ってるんだ!」

 

「「ええええぇぇぇーーーー!?」」

 

 予想通りのいい反応だ

 

 横から聞いていたミールが心底驚いた顔で尋ねる

 

「キョ、キョーヤ? 偵察なんだよ? ねぇ、偵察の意味って分かってる? 頭大丈夫? 」

 

 ん?これもしかして馬鹿にされてるのか?


「そんなことたぁわーってるよ!んなのこそこそ嗅ぎ回るよりも直接聞いたほうが早いに決まってるじゃねーか!それとお前が今、俺の頭が可笑しいって発言した事は忘れないからな!」

 

 ミールとクラリは教団の人間と話す機会なんてないはず、とか

 そもそも、教団の人間もそこらの冒険者なんて相手にしてくれないはず

 とか、色々ぶつぶつ言っている


 …こいつ等、俺の話を聞いてねぇ…

 

 まぁ、そもそも偶然助けた相手が教団の奴だったってだけなんだが

 

 

 

 ーーーーーー話は数時間前に遡るーーーーーー

 

 

 

 あーあー、調査って言ってはみたものの…何をどーすりゃいいんだ?はぁ…

 

 クラリとミールに取り敢えず教団について片っ端から調べてこいと言って、はや3日、大した情報も集まらず、こうして村をぶらぶらして、たまーに小銭を拾ったり、惚れ薬について詳しく聞こうと、アイテム屋のおっさんを手伝ったりする日々が続いている

 

 これじゃニートと変わんねーなぁ…

 などと思いながら凶夜は、ふらりと路地裏に入った

 

 ここは、いい具合にゴロツキ共がいて、酒瓶や、折れたナイフが転がっており、なんとも言えない異世界感があるため先日から凶夜のお気に入りスポットになっていた

 

(いやー いるねぇ、ギルドの奴らも荒くれ者感があっていいけど、やっぱ異世界つったら路地裏だよなぁ、幸い俺のステータスは一端の戦士くらいはあるから、絡まれても余裕で倒せるし)

 

 ちなみに、凶夜は先日もいちゃもんつけて金を奪おうとしてきた奴を逆にボコボコにして慰謝料を頂いた。先に手を出してきたのは向こうだからしょうがないよね?

 

(自分で言うのも何だが、俺の素早さはちょっとしたレベルだからな。握力も平均よりあるし、遠心力を利用して相手を投げ飛ばすのなんて事もお手の物だ。というか、それくらいしか出来ないが…いやぁ、壁に投げたらゴスゥっていい音したんだよなぁ。実に爽快だったな)

 

 誰か絡んで来ないかなぁー、と不謹慎極まりない事を考えながら路地裏を歩いていると

 

「やっ、やめてくださいっ!!」

 

「へへっ、こんな所を1人で歩いているなんて襲ってくださいって事なんだろおぉ?」

 

「あ、あにきぃ、次は俺に回してくださいよぉ!」

 

「分かってるって、ちょっと黙ってろよ、オメーは、え?あああああああぁぁぁぁぁ」

 

 ゴシャアアアア

 

「おー、昨日より爽快な音立ててるな、結構結構」

 

 凶夜は女性に絡んでいた、あにきと呼ばれる男の腕を掴むと、遠心力いっぱいに回転を加えながら壁へと放り投げた

 

「あ、あ、あ、ああああああ、テメぇぇぇぇよくもあにきおぉぉぉぉ真っ赤なトマトにぃぃぃぃ!!」

 

「あー、ちょっと強く投げ過ぎたわ、めんごめんご」

 

 弟分なのか、手下というべきかよくわからないが、ほぼ上裸で腰蓑らしきものしかつけていない男がナイフを取り出す

 

 女が襲われてたから取り敢えず助けに入ってはみたものの…なんだこいつ変態か

 つーか、今どっからナイフ出したんだよ…

 

 うへぇ

 

「へへ、今更びびったって遅いぜぇ、ズタボロにしてやるからなぁ」

 

 ナイフを持ったことで優位になったとでも思っているのかこのクズは。だとしたら救えないな

 

 凶夜はまるで道に落ちているゴミを見るかのように男を一暼する

 

 うーん、俺は大丈夫なんだけど、あの女性が心配だな、このクズは冷静さを失ってるから、何するか分からんし…取り敢えず挑発して、女から引き離すか

 

 めっちゃめんどいが…この状況自体はこれはこれで面白いのでよしとしよう!

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