降格
「なぁ〜〜〜〜にぃ〜〜〜〜!?!?!?」
クールポコかよ。と心の中でつっこんだが、仮にも一応上官なので口には出さなかった。僕は偉い。
……で、シジマ準特等は何を渡させたんだ?
「ねぇねぇジャン、なんて書いてあるんだよ?…あ、ツドラは見るな…よ…って、なぁ〜〜〜にぃ〜〜〜!?!?!?班が降格!?」
え、降格?てことは、C1-00ってことか?………下級軍属になるし、給料も大幅減…最悪だ。
「ツドラ、ケイオス、昇格するまで手を抜くことは許さんからな!そしてツドラ!お前はここに居ない班員にこのことを伝えておけ!手を抜くなってこともな!
…あー!ちくしょう!俺様の何が悪かったってんだ!」
その態度じゃね?しらんけど。
あーあ、当分の間贅沢は控えないとなぁ。
てかさー、通達するなら貸与異能のテレパシー使えばいいじゃん。面倒だなぁ。
ん?貸与異能ってなにだって?仕方ないなぁ。
まず異能ってのがあって、これは名前からわかると思うけど一般人には無い生まれつきの能力のこと。遺伝とかはなくて、完全にランダム。
例えば僕は触手だね。まだ2本までしか生やせないけど全身の関節から滑液を大量分泌して体外に放出。それを筋肉のように操って敵を攻撃することができる。
まぁ、軍属の者なら大抵は異能がある。2つ以上ある者は未確認だが、神話の上では大勢いる。
そして貸与異能は、元からある先天的な異能とは違って特定の階級の者にのみ後天的に与えられる異能のこと。
例えば班長なら班員全員がLI○Eのグループ通話のようにテレパシーで繋がれる異能が与えられる。
準特等以上なら強制送還と言って、致命傷を与えられると一番近くの基地までテレポートすることができる貸与異能だ。意識を失っており、意識の回復が見込めない場合は自動的に発動することもある。羨ましい。
『てめぇら!!!パトロールの時間だ!さっさと用意しろ!』
と、早速ジャンの貸与異能が発動したらしい。
……はぁ?次のパトロールのシフトは来週だったろうがよ。………ははぁ、降格したことに焦ってシフト追加したな?クソ班長が。
んー?あれ、小銃どこ置いたっけ。