表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
二刀を巡る黙示録  作者: はむはむ
終章 某国編
174/175

エピローグ

 ある、春の日のこと。


 俺は石碑の前に立ち止まった。

 白い、よく手入れされた石碑だ。周りを見ると似たような石碑がいくつも連なっている。


「リョウ~」

「ん」


 俺は振り返った。


「おー、カルマ。それから、えーっと……レイジとドロシーか?」


 穏やかな紫色を宿した瞳が、二対あった。


「うーん、風が心地いいねぇ。トランプでもする?」

「レイジ、今日はお墓参りだよ」


 ドロシーが諭すと、レイジは影に隠れた。

 次に現れた時には、茶色い植物を手に持っている。柳系の花だ。

 彼女はそれを、質素な墓に添えた。


 やがて、横に立っていたカルマが口を開いた。


「人って、死んだらどこにいくのかな」


 カルマらしくない、重苦しい口調だった。

 まるで葬列のような沈黙が流れた。吹きゆく風は温かい。


『……地獄じゃないかな』


 俺の口を通じて出た、———の声が沈黙を破った。

 すると、安堵のため息が漏れた。


「……なら、よかった」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ