私の嫌いなもの
私は人が嫌いだ。
少なくとも、今まではそう思って生きてきた。
教室でクラスメートがはしゃいでいたり、公共の空間で騒いでいる他人を見たりすると虫唾が走る思いがしたし、SNSでそういった様子を撮影した写真を見せつけられるのもうんざりだ。
初対面の人と場を繋ぐのも苦痛であったし、たとえ知り合いであっても自分から声をかけるのはとても疲れることだった。 スーパーで知り合いを見かけた時は、極力見つからないように細心の注意を払う。
しかし、私は本を読むのは好きだ。 小説や漫画の展開について考察や感想を述べているサイトを見るのも好きだし、ラジオを聞いたりして、その人の身近に起きた出来事やその人の考えを知ることもとても楽しい。
そう考えると、私は案外人が嫌いではないのかもしれない。 では、私は何が嫌いなのだろう。
おそらく、私にとって人は、観察対象であり、私に対する能動的な働きかけを期待する対象ではないのであろう。
つまるところ、私の嫌いなものは人間関係である。