play 26
「なんだ!?あのデカイ鬼は!!??」
「体が青くてww気が赤いってもう何がなんだがwww蒼鬼も居ねぇwwアイツどこ行った?ww」
俺は2人が喋ってるのをよく聞いてから、自分の腕を見た。太く筋肉でしっかりしている"青い"腕。その腕から出る、"赤い"湯気みたいなやつ。多分これが死狼の言っている気だろう。つまり今の俺は、ゴブリンキング並みの大きさの鬼なのだろう。
どういう事だと思い、メニューを出そうとするが、何回やってもメニューは出ない。多分だがスキル【鬼化】を使うと、メニュー等は出せなくなるんだろう。
使っていた武器は小さくて使い物にならない。盾は腕に付けてたのでぶっ壊れてた。だが着ていた防具は体に合わせてデカくなっている。良かったこれで全防具破壊とか、着るものが無い等の事が無くなった。しかし盾はガルデアにまた作ってもらわないといけないな。
まずは2人と話したいが、目の前のゴブリンキングが邪魔なので、右手をグーにして思いっきり振りかぶり、顔を殴りつけてぶっ飛ばす。すると殴られたゴブリンキングは、俺の予想よりもぶっ飛んで壁に思い切りぶつかった。少し観察していたが、ゴブリンキングは起き上がらずに光って散っていった。……まぁこれで話しやすいか。
俺はスキル【鬼化】を解こうと思い、念じてみた。一応念じるだけでもスキルは発動させる事が出来るが、気分で叫んで発動させていた。念じたが【鬼化】は解けず俺はデカイままだった。…多分【バーサク】でもあった、時間経過が必要なのだろう。
俺は仕方無く2人の方を向いて、喋ろうと思う。2人の方を向くと一瞬ビクッとして武器を構えてくる。「ゴブリンキングのHPバー1.5本分を一発www第一層でラスボスてwww絶対勝てねぇwww殺すならせめて食べる以外でねwww」等と死狼が言ってるが俺は、2人に向かって喋りかける。まず喋れるのか?
『おい、オマエラ。』
「ぎゃああああ!!www食べないでーー!www」
『…おい。』
「やっぱり殺さないでー!wwwデスペナが惜しいのー!!wwーーーーへぶっ!!痛い痛い!!」
どうやら普通に喋れるらしいが、死狼が煩く喋れなかったので、そこら辺に転がってた小さい石ころ(20cm)を死狼に投げつけた。デコピンでも死ぬかもしれなかったからだ。石ころ(20cm)は見事死狼の腹にクリーンヒットして、死狼は悶えてゴロゴロ地面を転がっている。
そんな死狼を無視して、俺はホワイトを見る。またもビクッとしたが話を聞かないと、死狼と同じになると悟ったようで、ビクビクしながらも煩くしていない。相当ゴブリンキング瞬殺が効いているようだ。
『おい、ホワイト。』
「何故俺の名前を!!??まさか!生き別れのきょうだーーーーーいじゃ無いですよねすいません。だから持ってる石を捨てて下さい。」
コイツも馬鹿を言うか。
『俺は蒼鬼だ。防具はデカくなってるがな。』
「……はい?」
『だから蒼鬼だと言っている。』
「……黒い装備…ものすごい威圧感…お前蒼鬼か!?」
『威圧感はどういう事だか聞きたいが、そうだ俺が蒼鬼だ。』
ホワイトはやっと分かってくれたようだな。俺は転がっている死にぞこない狼を、無視して何故こうなったか等をホワイトに話した。