play 22
扉を開けて中を暫く歩くと、奥に椅子に座っている王冠をかぶったデカイゴブリンが、こっちを鋭い眼で見ていた。その射殺す様な眼で見られた俺達は、歩いてた足を止めた。あれがゴブリンキングで間違いないだろ。あの眼で見られてゾクッとしたが、俺はマゾじゃない。武者震いだと思う。
チラッと2人を見てみると、2人も武者震いしてるのだろう。2人もアイツを見て戦いたいとおもってるのだろうか、持っている武器や盾が震えている。
「お……おーwww怖えw超怖えwwβではあんな迫力無かったぞwwwやべぇ帰りてぇwww」
「ゴブリンキングβよりも、デカくなってねぇか?怖い!マジで怖い!!帰ろうぜ(笑)」
前言撤回、コイツ等ただ怖くて震えてただけだ。
「お前等コイツが目的だろ?」
「あー、そうだったな。じゃあ頑張りますか、自分の身体に鞭打って!!(笑)」
「え?w何?wwお前等コレ見ても行けるの?wwwマジ神だわwww」
「うるせぇチキン、さっさと行くぞ。」
「神が鬼になったwwwサーセンww行きますよっとwww」
2人の震えが嘘のように止まり、(実際嘘なのだろうけど)ゴブリンキングに近づく。ゴブリンキングは俺等が近づいて行くと、椅子の近くに置いていた、刀身7m柄3mはありそうな赤い大剣を持って、立ち上がった。座ってて分からなかったが、立ち上がるとコイツ15mはあるだろ。
「いやいやwwやっぱβよりデカイってwww」
「あぁそうだな。だがな死狼、ここで逃げたら蒼鬼に殺されるぞ。前門のゴブリンキング後門の蒼鬼だぞ。」
「うはっwそれはやべぇwwwまだゴブリンキングの方が良いなwww」
「お前等からは俺が何に見えてるんだ。」
コイツ等には俺が、ゴブリンキング以上の魔物に見えてるのか?流石にそれは無いだろうな。
「グオオオォオオォォオォ!!!!」
「うわっ、うるさ!」
そうこうしてると、自分が格下と言われたゴブリンキングがキレたのか、怒ったような咆哮をあげた。俺達は咄嗟に耳を塞いだが、それでも十分煩かった。咆哮が開幕の合図になったのか、ゴブリンキングが大剣を引きずりながら、走ってくる。
「楽しませろよ、ゴブリンキング!!」
俺は剣と盾を構えて、ホワイトと死狼を無視して、ゴブリンキングに走る。さぁて、どの位だ?ゴブリンキングさんよ!