表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

君と僕の約束

ゆひきりげんまん

作者: りゅく

三作品目です。


少し切なさを感じられるような物を書かせていただきました。


どうぞ宜しくお願いします。

ゆびきりをして、



約束だよと。



無邪気な子供だった僕らはただそれは叶うのだと信じていた。



ゆびきりした約束は特別で、



絶対で。



それなのに桜が咲き乱れてた春、君とさよならも告げず離れ離れ。



それでもあのゆびきりした約束があったから寂しくはなかった。



少し大人になった今、約束を果たしに君に逢いにゆくから。



あの時笑い合ったあの場所でまた逢いたい。



────………



来るはずなんかない。



分かってる。



それでも“もしかしたら”が頭の片隅に過って勝手に加速する鼓動。



「…綺麗だな。」



あの時と一寸違わぬ景色。



ゆらゆらと儚く揺れるピンクにふっと頬が緩む。



さよならも告げずにいなくなった俺を君はどう思っただろうか?



身勝手だと怒った?



どうでもいいと思った?



それとも、悲しんで泣いてくれた?



「……仁奈(にな)…」



脳裏に浮かぶのは満面の笑みで俺の小指に己のそれを絡ませる愛しい仁奈。



俺の中の仁奈は幼いままで穢れのない瞳で見詰めて来る。



「約束、守りに来て…?」



あの頃よりも成長した自分の小指。



そこだけ熱を持ったように暖かくて。



見えない糸がこの小指から仁奈の小指へと繋がっているなんて今でも信じてる。



そして、その糸はきっと赤くて絶対に切れない。



手繰り寄せれば仁奈は来てくれるだろうか。



そんな風に考えて自嘲。



「ずっと待ってるから…」



小指にそっと口付けて、



愛しい仁奈を待ち続ける。



甘い過去のゆびきりを胸に。






ゆびきりげんまん

(早く約束を守りに来てくれ、)

(俺はずっと待ってる)

読んでいただいてありがとうございました。


この作品は、もう1話続編としてあります。


また続編でお会い出来ると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ