1章
「echo!!alpha!!右に回れ!!」
「挟み込むぞ!!」
西暦2301年に年が止まって何十年以上経ってるかな
いや、時間なんて関係ないか…
「A班!B班!何としてでも食い止めろ!!」
「クソヤロォォォ!!」
人間はあまりにも不毛で不利益な戦闘を繰り返していた
「後方30m先に空間振動!!」
「増援か!!」
もう、ほんと…まだマフィアの抗争以上に利益の無い戦いだ
ほんと…吐き気がする…
「囲まれた!!」
「敵進軍してきます!!」
ほんと…嫌だ
こんな…
「がぁっ!!」
「駄目だ!!敵が!!」
こんな…腐った世界…
___________
空間移動
空間を切り取って目標の場所まで送り届ける技術
まぁ…開発された当時は「画期的!!」だとか「未来的!!」だとか言われてたんだろうけど
その通り当時の貿易には革命的な技術だったらしい
おかげで貿易などは爆発的な進歩を遂げたらしいが…
人間分かり易いというか…やっぱりそうなるかー…て言うか
言ってしまえば、この技術の悪用だ
当時のどっかの国のお偉い方が欲に目が眩んだらしく、空間移動技術で軍隊を急襲させた
だけども、
まぁそんな技術があるなら当然それを感知する技術もあるわけで
急襲部隊は痛手を負って壊滅
それを引き金に欲の強いお馬鹿さん達が次々戦争をふっかけて、遂には国内でも分離を始めたり全然違う国とくっついたりで国境の存在しない素敵な世界…もとい地獄絵図が誕生し今に至る
まぁ、最も今も国名の代わりにチーム名が使われてるけど
「あぁ~…かったるい」
それでこの俺、(名前はいいや)が居るのが「赤朱団」といういかにもネーミングセンス皆無な軍隊
階級は新兵
まだミッションには二回程しか出動した事が無くだいたいは基地の見回りをしている
結局の所戦争の仕方は変化はなく領地を奪う事がメインであわよくば壊滅
つっても、軍隊の中で分離を始めたりするから意味は正直無いのである
「だーりいよー、早く交代しないかなー」
「そこ、私語は慎みなさい」
どうせ、襲撃なんて無いだろなんてぶらぶらとブルドックみたいな顔の上官殿と同僚について歩いていた
どうせ襲撃なんて無いさ…早く寝たいよまったく
と思った矢先に警報が鳴り響いた
「襲撃!!各員戦闘体制!!」
上官が怒鳴る
「おいおい…なんなんだよ」「空間振動は感知出来なかったのに…」
「どっから入った!?」
今はどこの基地にも正面玄関は存在しない
外が拝めるのは所々にあるちっこい窓のみ
「ひとまず現場に行くぞ」
「了解!!」
現場に着いて驚いた
びっくりなことに正面玄関ができていた
「な…」
「壁をぶち破って…」
そこの壁はきれいに無くなっていた
「誰が…?」
決まってる…敵だ…
「構えろ!!どこに敵が居るかわからぁ…」
そこまで言った所で上官は倒れた
分厚い首筋の筋肉がはっきり見える具合に首が落とされていた
は…ざまぁねえ、結局そんなんじゃ防げねぇんだよこの筋肉ブルドック
「クソ…何処にいる!?」「固まれ!!背中を合わせろ!!」
残りの隊員は背中を合わせ360度全部を見渡せる隊形を組むが
「あぎっ!?」
「なに!?ぎゃっ!!」
次々死んでく隊員達
そんな事はどうでもいい
「敵の姿が…見えない…?」
恐らくステルス迷彩
そんな物が…できてるなんて…
「どうする…どうすれば…」
気が付けば俺は一人
周りは既に血の海
やばい…やばいやばい
ピチャッ
目の前で血が跳ねる音がした
今、俺以外誰もいない
なら…
ピチャッ
これは…この足音は…
ピチャッ
…敵!!
足音の方に銃を向けトリガーを引く
リズムよく弾は発射されそこに居るであろう標的を襲う
ピシャン
血がはじける音
敵がどこかに飛び退いた
やってやる
着地地点にありったけの弾をぶち込んでやる
が
いくら待てども着地しない
逃げた?違うここは一本道、逃げられるわけがない
じゃあ、どこに…?
動悸が早まる
不安で脳が支配される
「君が坂波秋耶か?」
上!?
トリガーを引く
弾丸は壁を電灯を粉砕する
だがまた逃げられたらしい
それよりも
「なんで…俺の名前を知ってる!!」
こいつは敵
なぜ俺の名前を
こいつは最初から俺を狙って
ピシャン
そこか!!
音は後ろ
振り返ってトリガーを
「今君が知る必要は無い」
え…?
首に冷たい感触
ブシャッ
なんで…
音は…
アッチ…
ダッ…た……ろ…?
「感覚はあるんだな…安心しろ君は」
視界が揺れる
息ができなくなる…
死ぬ?嫌だ…
そんなん吐き気がする
「君は■■■■■」
確か都市伝説で聞いたな…
存在が知られていない凄腕の戦士だか無色の戦士だったか
たしか…その名前って…なんつったっけ…?
「君は我々〝N.C.S〟(ノクス)が保護しよう」
……そう
…それ