プロローグ
鳴る、鳴り続ける。このうるさい朝の知らせが延々と。
なのに、朝は来ていない。冬だからだろうか。たしかに裸足で触れたフローリングは冷たい。イヤイヤ布団から出たら、今日の授業の準備をせかせかとやる。ぎりぎりまで体温の残った布団の中でうずくまっていると、あとでそのつけが回ってくる。やばい、あと15分しかない。
朝はテンションは上がらない。だいたいがそのはずだ。眠気が寒さによって気持ち悪い程度に吹き飛ばされ、どうも不愉快。こうしてるうちにもう5分過ぎた。朝の1分はやはり違う。
一階に下りて、玄関に荷物を置き、洗面所へ。そして、洗面台の前にいって顔を洗う。といってもエチケットのためだけなのだが。こんなニキビズラで、おまけにそのニキビがつぶれ、シミとなっている自分の顔は決して見ない。顔がまるで某芸能人みたいに穴ぼこではないとはいえ、さすがに反吐が出そうだから。まぁ、その芸能人の顔をみても反吐は吐かないけど。
そんなことを思いながら、お口を濯いで、髪は寝癖だけをどうにかして、またリビングに直行する。服は着替え済みだから、後は朝を食べ、歯磨いて、駅に自転車をこぐだけ。そう思って、ひたすら食べていると横から、
「あんた、今回のテストどうやったん?」
という声が。あの・・・時間がないんですけど。
「黙ってるってゆうことは、アカンかったんやろ。ええ加減にせな、知らんよ。」
わかってることを何回も言われる。この苦しみを避けるように、そそくさと全部平らげ、いつもどうり歯磨きして、家を出た。ガレージには車が1台欠けていた。
毎度のことなのだが、僕の朝はホントせわしない。見ての通りだ。こうしてるうちに電車まで、あと10分しかないのだ。のんびり行ったら絶対遅刻する。う~ん、きょうも疾走しないとダメっぽい。
「あぁ、なんか自分が崩れてるような気がする」
そう思いながら僕は、ただ一人、区画整備で真新しい、広く緩やかなアスファルトのカーブの上で、ゼェゼェと白い息を吐き散らしていた。
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