emancipate 2
こっぱずかしい小説第二弾
今回は旦那様視点です。
―どうして貴女は死んでしまったのか―
何故貴女は死んでしまったのか。
私は薄々気付いていたよ。
貴女は私が貴女の親友を好きだって思っていたことを。
でもね、それは間違いだ。
私は愛していない人を看病してあげる程優しい男じゃない。
愛していない人の側にずっといる程優しい男じゃない。
私は貴女を心から愛していた。
だから貴女が死んでしまった時、悲しかった。
身体が引き裂かれる程に。
貴女の遺品の整理をしていた時、貴女が飲まなければいけない薬がたくさん見つかった。
驚いた…というより悲しかったよ。
貴女はこんなにも死にたがっていた
って思ってね。
私はどんな手を使っても貴女を生きながらえさせたかった。
"このまま薬を飲んでいれば病は回復するだろう"
って医者から言われて、とても嬉しかった。
貴女も喜んでいたよね。
だから、貴女が死んだ日。
私は生きる意志を無くしたんだ。
貴女がいるところが私の存在場所だったのに。
だから私は思った。
どうして貴女は死んでしまったのか
ってね。
そのあと私はどうしたと思う?
ふふっ。
私は何も言わないよ。
ただひとつ思うことは、
私たちは今とても幸せ
だってことかな。
ここまで読んでくれた方には感謝いたします。