表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
南国の魔法  作者: ありま氷炎
10/151

タカオの過去

「こんな関係やめないか」

 カナエはベッドの上からタカオを見つめてそう言った。

「お前にはいくらでも、きれいな、かわいい女の子が寄ってくるだろう。なんで私なんだ?」

 カナエはブランケットにくるまって体を丸くした。

 体を見られるのは嫌らしく、カナエはいつもそうしていた。

 目の前のタカオはお風呂上がりなのか腰にタオルを一枚巻いているだけだった。


 最初のキスから数カ月してこういう関係が始まった。


 誘ったのはタカオだった。


「僕は上杉がいいんだ」

 そう言ってタカオはカナエを抱きしめた。

「ずっと僕の側にいて」

 そしてタカオはカナエの唇に自分の唇を重ねた。



 薄暗い部屋でタカオは眼を覚ました。

 窓から三日月が見える。

 ベッドで寝ている女はその辺で見つけた女だ。

 面倒だから殺そうかな。


 心がないはずなのに、上杉の夢をみた。

 馬鹿らしい夢だ。


 武田タカオのくだらない思い出だ。


 光の噴水といえども完全に心を取るのは無理みたいだ。


 でもこんな感情があるのもあと少しだ。


 石さえ揃えれば僕は完全に魔王になれる。


 そうしたら、こんな馬鹿な夢をみることもなくなる。


 タカオはベッドの横に立ててあった、剣を鞘から抜くと

 ベッドの上の女に向かって降り降ろした。


 返り血がタカオにかかる。


 女は寝たまま死んだようだった。


 タカオは脱ぎ捨ててある女の服で返り血を拭うと、自分の服に着替える。

 服から血の匂いがした。


「新しい服見つけないと」


 タカオはそう呟くと部屋を出て行った。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ