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問A/村裂学園
僕はAに呼び出された
海のほうでは皆が花火を楽しんでいる
「A、なんのようだい?」
こっちを向くA
頭上に見える三日月は天使の輪のように彼女の頭に浮かんでいる
「わかってるよ、本当の君はもういないことくらい」
僕は誰よりも知っているAが死んだことなんて
だって、僕が殺したんだから
「うそつき」
自己紹介に何一つ真実が無い君に言われたくないよ
「えっ?」
僕の目には白い顔を漂わせているAが見える
ずっと幻覚だと思ってたAが
時刻はもう朝一時、明日は卒業式
死人と精神異常者が深夜に語らう