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対美少女留学生交際計画 〜1

 ドーモ。ゴマクソ第六話、始まります。期末テストの打ち上げでアニエスとクラスの陽キャ達と共にカラオケ店へやってきた一。ひとしきり場を盛り上げたのち、帰宅した彼は___。

 期末明け___!!


 テスト期間が終了し、永野一は駅前の某カラオケ店にて、ガールフレンドであるアニエス・カスタネールに見守られながら、1軍陽キャ達の口ずさむヒップホップのメロディーに合わせて、マラカスとタンバリンを振るっていた!!


『続いては週間オリコンチャート1位!MV動画再生回数50万回突破!Song by FLAG!feat.Akira・kawasaki!【Question!!】Covered by Mitsuru・Akashimaaaaaaa!!』


 歌が始まる前の前奏部分、マイクを持った一が前口上を言い上げ、同じくマイクを持った1軍陽キャ筆頭、赤島の熱烈歌唱が始まる!!


 赤島がファルセットを効かせる横で、一はダンスを踊りながら適宜合いの手を入れていく!


「赤島歌うまっ!」


「やっぱ永野がいると盛り上がるわぁ〜!」


 今や、カラオケボックスの盛り上がりは最高潮に達していた!!


「どう?アニエスさん。楽しんでる?」


 アニエスの横に座る1軍陽キャ女子、井野沢(いのさわ)が訊ねる。


「う、うん。楽しいよ!」


 正直アニエスは、1軍陽キャ達のパーリーピーポーなノリに若干気圧されていたが、それを悟られないように努めて明るく答える。


 それに、楽しいというのも嘘ではない。


 1軍陽キャ達が()わる()わる流行りの歌を熱唱していく中で、それらを盛り上げるために奮闘する(カレシ)の頑張り屋な一面(いちめん)を見ることができて、アニエスは満足していた。


 井野沢はふと、アニエスの視線が一に向いていることに気付く。


「永野くん、面白いよね。盛り上げ上手っていうか……赤島たちがこういう打ち上げとかを計画すると、率先して場を盛り立てる役に回ってくれるんだ」


「そうなんだ……」


 井野沢の話を聞いたアニエスは、一を見つめながら優しい笑みを零す。


(……おや?)


 アニエスが一を見つめる眼差しを目にして、井野沢はふと、違和感に気付く。


(おやおやおや?)


 井野沢の視線に気付いたアニエスは、慌てて一から視線を逸らす。


「わ、私も、何か歌おっかな?あはは……」


 僅かに顔を赤くしながら、誤魔化すようにデンモクを手に取るアニエス。


(これはこれは……もしかすると……?)


 アニエスの様子に何かを察した井野沢は、顎に片手を当てて意味有りげにニヤリと笑った……!







―――――――――――――――――――――――――――――








(あ〜………疲れた)


 アニエスと1軍陽キャ達との打ち上げを終えて帰宅した一。


 仕方の無いことではあるが、打ち上げの間アニエスと話せる機会は1度もなかった。


(しかし……改めて嘘みてぇだよなぁ……俺がアニエスさんとお付き合いしてるなんて)


 自室のベッドに腰掛け、改めて一はアニエスから告白された時のことを思い返す。


 太陽燦々、降り注ぐ紫外線の中、まだ人の疎らな学校の、誰もいない屋上で!


 一は人生初の告白をされたのだ!!


 しかも相手は、1日にして学校のマドンナの座にまで上り詰めた傑物!!


 正直一は、彼女が自分に惚れた理由に未だに納得はいっていない!


 いっていない、が!最早そんなことはどうでもいい!


 容姿も性格も最高に良い美少女留学生とお付き合いできた以上、一はこの幸せを全力で謳歌するつもりである!!


(まぁ、お付き合いすることになった以上……とことんやるぞ、俺は)


 一はベッドから勉強机へと移動し、机に未使用のノートを広げ、スマホを操作。


 何はともあれ、女性とお付き合いする以上は手抜きはできない!


 一はスマホで、近隣エリアにある美容室を検索!


 更にその中から、口コミの評判の良い店舗をピックアップ!


 この17年間、女性とお付き合いする予定の無かった一は、「髪なんぞ近所の1000円カットの店で充分」という価値観で生きてきた……。


 しかし!女性と……それも、アニエスのような美人とお付き合いするとなれば、話は別!


 今までのように、1000円カットで適当に済ませるわけにはいかない!!


 店舗の口コミを読み漁り、これは!!と思うレビューをみつけた一は、早速その美容室の住所や料金設定等の情報を、まっさらなノートに書き連ねていく。


 次に一が調べたのは、男性用肌ケア用品について。


 願わくば、なるべくリーズナブルで且つ評判の良い物を選びたい!


 検索して真っ先に出てきたのは、最新男性用スキンケア用品TOP10という記事。


 そこでおすすめの乳液や化粧水の情報を一読(いちどく)し、販売元のホームページへ飛び、本品価格をメモ。


 一はそのままスマホで電卓アプリを開き、これまでに得た美容室やスキンケア用品の価格情報から、月にかかる美容代を算出。


 結果、算出された月の美容代は1万円とちょっと。


 これだけであれば現状のバイト料でも充分賄える。


 しかし!女性とお付き合いするということは、かかるのは美容代だけではない!


 デート代!!


 付き合うということはそれ即ちデートをするということであり、当然デートには金がかかる。これ、自然の理!


 ただ、ここで1つの問題が浮上する。


(………デートって……どのくらいのペースでするものなんだ?)


 そう!


 はたして恋人のいる高校生は、1年の内の何日間をデートに費やすものなのか!?



 時にここで1度、作者から読者諸君に質問したい!!


 読者諸君は、恋人なのだからデートなどしたい時に誘えばいい、などと簡単に考えてはいないだろうか?


 愚考!その考えはあまりにも愚か!!


 デートというのは、あまりにも頻繁に誘い過ぎれば相手から()()()と認識されてしまうし、金もかかる!


 かといって誘う回数が少なければ、相手から「この人私に興味無いのかな?私がいなくても平気なのかな?」と、思われてしまう!


 デートの回数が多すぎても、少なすぎても、カップルとして長続きはしないだろう!


 特に一の場合、普通の高校生カップルよりもデートの回数は重要になってくる!


 通常の高校生カップルであれば学校内でイチャイチャすることにより、多少デートの回数が少なくともある程度は良好な関係が維持できる。


 しかし、一は無用なトラブルを避けるためという名目で、学校ではアニエスとの交際を秘匿している!


 そのため、通常のカップルのように学校内で公然とイチャイチャすることができない!


 故に!アニエスとの関係を維持するために、休日のデート回数は何よりも重要になるのだ!!


(流石に休日の(たび)にデートする……なんてことは無い……とは思うが………いや、そもそも休日どうこうじゃなく、平日も下校の度にお茶くらいは毎回するのか……?)


 当然だが、月に何度デートをするかによって、算出される月の出費は大きく変動する!


「……」


 デートでの出費を考えるにあたり、一の脳裏にふと、ある疑問が過ぎる。


 そもそもデートでは奢るべきか?


 読者諸君に誤解を与えないために明言しておくが、一は何も男が女に奢るのは古臭いジェンダーバイアスによる価値観の押し付けである、などと言うつもりは毛頭ない。


 そもそも、一もアニエスもまだ未成年。


 自販機などでたまに飲み物を奢る程度ならまだしも、未成年が常習的に店での飲食代などを奢るのは、些か背伸びし過ぎ……不健全ではなかろうか?


「………いや……いやいやいや!」


 少し考えたのち、一は頭を振る。


 不健全かどうかなど関係無い!


 基本的には、奢られて嫌な気持ちになる人間などいないはず!


 であれば!


 関係を長続きさせるためにも、常にこちらがデート代を出せるくらいの余裕は持っておきたい!


 一は自らが奢ることを念頭に置き、月のデート代を計算……が!


 先程も言った通り、一は高校生カップルの月の平均デート回数など、皆目見当もつかない。


 正直、こればかりは一人(ひとり)で考えても埒が明かない。


 とはいえ、友人に相談もできない。


 一はアニエスとの交際を学校の人間には秘密にしている身。


 彼女とのデートは月に何回くらいするかなどを聞けば、間違いなく女性との交際を疑われる。


 最悪それを切っ掛けに、アニエスとの交際を勘付かれかねない!


 というかそもそも、一がこのようなことを気兼ね無く相談できる友人に、女性との交際経験がある者などいない!!


 そこで一、再びスマホを使用!ネット上にある、とあるサービスを利用する!


 知識袋!!


 質問を投稿すると、匿名の有識者がそれに対する回答をくれる、質問掲示板!


 特に最近はAI技術の発達により、簡単な質問であればAIがすぐに回答をくれるため、知識袋は更に使い勝手が良くなっているのだ!


 一は知識袋に、以下の内容を質問する。


『男女交際に関する質問です。私は高校生で最近彼女ができたのですが、普通の高校生は月に彼女とどのくらいの頻度でデートをするものなのでしょうか?』


 以上の内容を投稿し、一、待つこと数分……。


 スマホに通知が入り、有識者からの回答が得られたことを確認!


(きた!どれどれ___)


 寄せられた最初の回答は、こう。


『わたしも高校生です!彼氏とは毎日デートしてます!平日はワックとかルナバに行って、休日は映画を観たり、彼氏の家とかに入り浸ってます。私の彼氏は大学生だけどお金持ちで、休日のデートでは毎回プレゼントをくれるし、デート代ももちろん彼氏持ちです!』


 以上が、寄せられた最初の回答。


(………)


 確かに有識者の意見には違いない……が!


 一、この回答からどことなく漂う()()()を敏感に察知!


 ベストアンサーは、敢えて見送り。引き続き、有識者からの回答を待つ。


 最初の回答から5分程経ったタイミングで、再びスマホに通知。新たな回答が寄せられる!


(よしきた!どれどれ___)


 早速次の回答をチェックする一。


 そこには、意外にも短い文章でこう書いてある。


『以下のサイトに高校生の平均デート回数を調べた記事が載ってますよ。』


 その一文に添えられていたのは、外部サイトへ誘導するためのURL!


「これこれ!こういうのよ、俺が欲しかったのは」


 一、ようやく得られた有力な回答に満面の笑みを浮かべると、早速その回答をベストアンサーに認定!そののち、添えられたURLをタップ。


 しかし、そこに載っていたのは___!?




__続く!!

 ゴマクソ第六話、いかがでしたでしょうか?


 思いの外六話が早く仕上がったので、五話に続けて上げました。


 今回の話は既に頭の中で100%プロットが完成していたので、一話から五話までを投稿している間に仕上げられました。


 やろうと思えば、第二話投稿辺りで既に予約投稿もできたのですが、ここ2、3日ちょっと小説を書く気分になれず、連続投稿ギリギリの本日7月7日に今回のエピソードが仕上がり、当日投稿と相成りました。


 第七話はこれから制作するのですが、こちらもなるべく早い内に投稿できたらと思います。

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