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第一話 テストで満点を取るのは難しい

初投稿作品(上げ直し)です。

上げ直しの経緯については後書きで説明します。

最後まで読んでくれると嬉しいです!

 俺の名前は桂木壮馬かつらぎそうま(26)。メガバンクに勤めていたが

過労で体を壊し早期退職で自宅療養の日々を送っていた。

そして現在、お盆という事もあり実家に帰省した俺は、

気晴らしに自分の子供部屋を掃除していたら、懐かしい物を見つけた。

埃を被り、色は褪せ、角が茶色に変色していたそれは、長い年月が経過した事を意味していた。


 高校時代の卒業アルバム


 不思議なもので、昔の事なのに思い出すとつい昨日の事のように感じられる。

アルバムを開けると、俺の身体は中に吸い込まれ、気づいたら高校時代に

タイムスリップしていた。みたいな仮想フィクションの話もしてやりたいが、

あいにく現実リアルに、そんな超越メタ的な事象は降ってこない。

仮にそれが降ってくるとしたら、俺は自分の命でさえも捧げるのに。


 これは10年前、俺が高校生だった時の物語。


「壮馬。宿題やった?」

「あぁ、今渡すからちょっと待って」


 人生は、与えられた課題と、それをこなす作業だ。

高校受験でそこそこ名の知れた名門私立に入ったのも、

自分の意思ではなく、教師の推薦。

今もそうだ。宿題をこなし、それをクラスの学級長に渡す作業。


 作業。作業。作業。


「よし、1学期中間テスト返すぞー。今回の平均点は55点。最高点は100点だ!」


『ウオーー!スゲーーーー!』(ざわつく教室内)


「じゃあ呼ばれたら来いよ。出席番号1番から..」

「5番。桂木壮馬」


 渡された答案。右下には98点の文字。そしてexcellentと書かれている。

まぁ、物理のテストなんてこんなものだ。

物体の現象のイメージを把握し、そこから公式を導出すれば、点は簡単に取る。

ただ、俺みたいに不注意な輩は、正負の向きを逆にしたりして、

減点をくらうというわけだ。


「おっしゃ!!俺95点!ウェーーーイ!」

『マジかスッゲェ!流石いっちゃん!』(ざわつく教室内)


 太田一おおたはじめ

父親は医者、母親はPTA会長と、

クラスの権力者かつ筋金入りのお坊ちゃんだ。

”はじめ”だから、いっちゃんというあだ名で親しまれている。

でも俺は正直、この男が苦手だった。というより、理解できなかった。

というのも、彼は何かにつけて自分をアピールしたがる。

大した出来ではないのに、何故威張れるのか、そして周りは何故、

彼を褒め称えるのかが不思議で堪らなかった。


「でもいっちゃんが100点じゃないなら、誰なんだろうな?」


(知るか。そんなのどうでもいいだろ。

周りと比べる前に、まずは自分が間違えたとこを復習しろよ。55点と63点)


 まぁでも、俺の点数を知りたい奴になら、教えてやっても良い。

いっちゃんみたいに、自分から声高々と公開はしないがな....。


「ねぇ。壮馬はテスト、何点だった?」


 その時だった。背後に座っていた女子から声をかけられたのは。

高校に入学してからはや1ヶ月半。<彼女>とは一度も話したことがない。

でもその圧倒的なルックスで、性欲まみれる思春期男子から

入学早々噂されていたのは、クラスの情報に疎い俺でも知っている。

そして<彼女>は友達が多い。俺とは真逆の明るい奴だという事も知っている。


「まぁ。ノー勉で98点かな」

「そう。私もノー勉で満点だったから、今回のテスト簡単だったみたいね!」


 は?


 彼女の顔を観察すると、嘲笑とも失笑とも取れるような笑いと共に、

明らかに格下を蔑むような、舐め腐った顔をしていた。


「ま、まぁね!俺もケアレス1個だったし」

「それ言い訳でしょ。あっそれとは別件で..」

 

 まずい。このままだと多分、俺は泣く。

だから会話をそこで中断し、前を向いて唇を硬く結び

溢れ出しそうな涙を必死に堪えながら

それを悟られまいと机に突っ伏し寝たふりをした。

ただ彼女は、精神的に病みかけている俺を見逃さなかった。


「何いきなり机に突っ伏して。

もしかして点数で負けたのが悔しくて泣いてるの?

まぁ良いじゃない?ノー勉なんだからそんなものよ」


 そんなもの、だと。


「うっせぇこのクソ女!ノー勉なわけねーだろちゃんと対策してきたわ!!

第一俺が98点で”そんなもの”だったら、

あそこで95点で喜んでる奴はゴミかよ!!」


 そう言えたら良かった。


「ねぇ。ちょっと、聞いてる?」


 聞いてません。僕はこの授業時間中は寝たふりを続けます。

なので話しかけないで下さい。後あまりゆすられると制服についた涙のシミが

見えちゃいます。


「ふーん無視か。ライン交換したかっただけなのにな」


 え?


「い、良いけど....」

「何だ。やっぱり起きてたじゃん」


 夏空螢なつぞらほたる

彼女との関係が始まったのは、今思い返せばこの日からだったと思う。


 


〜あげ直しの経緯〜

とある飲み会で小説を書いてるという旨の話をしたところ、

自称なろう読み専マスターの佐藤君(偽名)

にこんな事を言われました。

「最近の小説で恋愛ものなんてダメダメ。

今は異世界ものと悪役令嬢ものが主流なんだから」と。

あまりに力説するので、自分の名義で彼に

例の異世界ものを一作書かせたところ、

評価星1+アンチが湧いてるのを後日確認。

「俺、もう小説書くのやめるわ」

と今朝連絡が来たため、詳細な事情には触れず、

彼の承諾の上で元は自分のアカウントを

消させて頂きました。

ですから、今使っているアカウントは自分かつ

別名義のアカウントです。

複雑で申し訳ありません。




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