一般兵士、周囲を調査する
数日後、街が見えてきた、衛兵に挨拶をし街中へ入ると街は活気で溢れていた、屋台が多いな、ここの飯屋は良さようだなと思っていると
「先ずは領主様に会いに行きますよ、この馬車も返さなければいけないので」
「それだけ急ぎの依頼というわけだな」
「そうですね」
馬車は一際大きい屋敷の前につき門をくぐり抜ける、そして扉の前につくと馬車が止まった、降りると執事らしき人物が立っていた
「お待ちしておりました早速中へどうぞ」
「よろしくお願いします」
屋敷中へ入って少し周りを見渡す、寂れてはおらずしっかり掃除が行きわ渡っているが装飾品などがあまり無く領主の家としては質素だなという印象を受けた
「質素だなお思いで?」
「い、いえ、大きな屋敷に入るのが初めてでして」
「気になさらないでください、領主様は自分に使うよりも住民のために使うことが重要だと考えておられますので」
「だから街が活気で溢れているのですね」
「そう思っていただけると幸いです」
執事の後ろを付いていくと扉の前で止まる
「冒険者様を連れてまいりました」
「入ってくれ」
俺たちは部屋の中へ入ると初老の男性が立っていた服装は豪華ではないがそれでも威厳を損なわれないしっかりとした服装をしていた
「そこにかけてくれ、楽にしてくれて構わない」
「は、はい」
カイトは少し緊張しているようだ
「カイト緊張してるのか?」
「当たり前だろ」
「ははは、そんなに緊張しなくてもいいのだがね、早速本題に入ろうか、少し奇妙な依頼になるのだが」
話を聞くところに1日おきに魔物が現れる何処からともなく魔物が現れるそうだ、魔物の強さもその度に少しずつ強くなっているらしい
「確かにそれは奇妙ですね」
「それで君たちには発生源の特定とその討伐を依頼したいのだ」
カイトは少し考えたあと
「わかりました、やってみます」
「受けてくれるのかありがたい、では早速とりかかってくれ寝泊まりはここでしてくれても構わない」
「わかりました、因みに次の魔物が現れる予定はいつですか?」
「今朝、魔狼が3匹現れたので次に来るのは明後日だろう」
俺たちは屋敷をでて近くの飯屋に入ると今後の方針について相談をはじめた、しかしこの鹿の煮込みは気になるな…
「ジョン飯は後にしてくれ」
「わかったよ、それで何かあてはあるのか?」
「ああ、屋敷を出る前に地図を貰ってなそれを見ると近くに森があるんだ」
「なるほどな、手掛かりが無いなら確かに先ずはそこから始めるのがいいと思う」
「私は賛成です」
「僕も」
「決まりだな、森に行ってみよう」
衛兵に挨拶をし街道をでて森に入っていった特に変わった様子は無いように見える
「シエナさん探知お願いしていていいかな」
「はい、既にしていますが特に変わった反応はありません」
「あてが外れたか?」
「いやもしかしたら魔物を惹きつける何かがあるかもしれない、一帯を調べてみよう」
探索している道中ゴブリンなどには遭遇したがこれといって魔物を惹きつけるようなものは見つからなかった、取り敢えずであった魔物を討伐し今回は屋敷に戻った、領主のアルバートに報告すると既に森は探索済みらしいが掃討してくれてありがたいと言っていた、探索済みだと言わなかったのはわざとじゃないことを願いたい…
次の日
「調査を二手に分けようと思うのだが」
「危なくないか?」
「平原と衛兵たちに聞き込みの2つだ、平原なら不意打ち仕掛けられないかそこまでの危険は無いはずだ」
「ならいいけども、聞き込みはカイトとシエナさん頼む、平原は俺とケールが行ってくるよ、じゃあよろしくな」
「お、おい!」
「わかりました、行きましょうカイトさん!」
「わ、わかったよシエナ」
街を出て平原に行く
「ああでもしないと俺と組みそうだったからな」
「流石盟友」
「しかし平原の探索か、どうするかな」
「盟友こっち来て」
「何処に行くんだ?」
「来ればわかる」
暫くケール後ろを付いていくとケールが立ち止まった
「ここか?」
「ここで魔力探知してみて」
「練習中なんだが…」
「実践も練習の内」
「わかったよ、やってみる」
体内にある魔力を薄く、広く伸ばしていく、広く、広く、広く
暫くすると、ほんの少しずつだが薄れつつある魔力を感じることが出来た
「向こうに薄れつつある魔力があるな」
「多分魔法を使ったあと」
「魔法を?」
「うん」
「魔法で魔物を呼び出せるのか?」
「王国で研究はされてる」
「なるほど、可能性はあるのか…よし、他にもないか探してみよう」
「おー」
結果魔力の反応があったのははじめの1箇所だった、夕方カイト達とで合流して結果をまとめることにした
「カイト、結果はどうだった?」
「衛兵たちに聞いてみたら必ず朝に同じ方向から魔物がやってくるそうだ」
「もしかしてくる方向はあっちか?」
と言って魔力の反応があった場所を指差す
「よくわかったな」
「こっちの調査で魔法が使われた痕跡が見つかったんだ、もしかしたら魔法で呼び出されたかもしれない」
「どうする、領主に報告してそこを見張ってもらうか?」
「いや一度泳がそう、もし見つかってしまったら場所を変えられるかもしれないだけど領主に報告はしといたほうが良いだろうな」
「そうだな、行こうか」
領主に魔法で魔物を呼び出している可能性の報告とその場所に見張りを置かないようにお願いした
「わかった、そのようにしよう、因みに明日は恐らく魔物が現れる日だ、良ければ討伐に行ってほしい」
「もちろんです」
「魔物が現れたときのために近くの宿で待機しようと思うのですがいい宿はありますか?」
「そうだな、報告のあった場所に一番近い宿は春鹿の宿だな、こちらから手配しよう、魔物が現れたら兵士を宿に向かわせる」
「ありがとうございます」
俺たちは屋敷をでて前回きた飯屋に行く、夕食時とあってかなり混み合っているようだ
「明日の朝討伐に行ってその後はどうするんだ?」
「少し間を開けてから魔力の痕跡の確認だな、後は一日自由行動かな」
「久々に休みが取れるってことか」
「怪我さえしなければな」
「気にしすぎですよ」
「地味に連携するの初めてになるだろうからな、少し心配になっただけだよ」
「確かに各々の力だけで倒してて皆で戦ったことないですね」
「今のうちにどう動くか考えたほうが良いだろうな」
夕食を食べながら明日の連携について話し合う事にした
「やっぱり後ろからの援護だし避けてほしい方向を言うことは大切だな」
「別方向からの攻撃もできるよ」
「俺を隠れ蓑にした不意打ちとか有効だろうし」
「不意打ちは気が引けるな」
「いずれはそうも言ってられないと思うから早めに練習したいけどな」
夕食を終え指定された宿につく確か春鹿の宿だな
「すみません、宿を取りたいんですけども…」
「あら、ごめんなさいね今日はもう予約埋まっていて」
「いえ、実は予約をお願いしていて」
「ああ、アルバート様のお客様だったのですね!夕食はどうされますか?」
「食べま」したので大丈夫です、部屋の案内お願いできますか?」
カイトにまだ食べるのかという目で見られた、宿屋の飯も楽しみだったのだがなぁ…
「こちらになります」
「二部屋ですか?」
「仲のいい男女が2組来られるとの事でしたので」
なんか領主に遊ばれている気がする…
「ジョン、行こう」
「え?」
「早く行こ」
とケールは袖を引っ張る
「わかったよ」
ケールと部屋にはいるごく普通の部屋に見えるがベッドが一人用にしては大きいように見える、まさか二人一緒に寝ろと?
「ダブルベッドいいね」
「こんなに大きいベッドは見たことないな」
「一緒に寝る?」
「かなり攻めてくるな」
「冗談」
とはいえソファーもないので離れて同じベッドで寝ることになった
明け方兵士がやってくる、どうやら予測していた通りの方角から現れたらしい、どうやらかなり急いで来てほしいとのこと直ぐにケールを起こし装備を整える部屋を出ると元気そうな姫様とあまり寝れてなさそうなカイトがいた
「カイト戦えるのか?」
「お、おう」
「…無茶はするなよ」
街の外に出ると魔熊のブラッドベアーがいた、急に強くなってないか?
「カイト、前の技は使えるようになったか?」
「いや、実はまだ無理なんだ」
「なら尚更連携が重要になるだろうな」
「シエナさん、ケールたのんだぞ」
二人は頷く
カイトと二人で前に出る
「カイトは前みたいに回り込んでくれ!盾を使って攻撃を止める!」
「わかった!」
身体強化を使い盾にも魔力を込めるこれで受け止めることが出来るはずだ
「さあ、こい!」
魔熊は腕を振り下ろしてきたのでこれを受け止める、ガンッと音がするがこちらはびくともしない、武器に魔力込めたカイトが横から斬りかかるザンッとかなり深く切り傷を与えられるようになったようだ、すると後ろから声が聞こえる
「ジョン、左に回避」
言われた通り盾で弾きながら左に回避する、すると魔熊の右側から3本の風の槍が飛んてきたかなりの威力があったらしくお腹と足にからどくどくと血が出ている、もう少しだな、魔熊が四つん這いになり怯んだため盾で思いっ切り魔熊の顔を殴りつける
「カイトとどめを刺してくれ!」
「おう!」
「援護します!」
シエナさんがカイトに身体強化を付与してからふらついている魔熊の首を切り裂く、前回みたいに切り落とすまでは行かないがここまで深い傷なら倒せただろう
「まだ、よく見ておこう」
最後の力を振り絞って右の爪を振り上げたがそれを盾で弾き飛ばし剣で傷ついた首をもう一度切り裂いた
もう一度立ち上がろうとするが魔熊は力尽きたのか倒れた
「討伐完了だな」
「初めてにしては良かったよな!」
「援護で出来てよかったです!」
「掛け声よかった」
まさかこうもあっさりと倒せるとは自分でも思っておらず、事前に連携の打ち合わせしといて良かったなと思った、魔物の死体を回収してもらい暫く休憩したあと皆で先日、魔力の痕跡があった場所の近くにきた、ケールに頼み探知してもらう、すると
「僕の予想通り魔力の痕跡が濃くなってる」
「そうかなら確定だな」
「アルバートさんに報告に行こう」
「そうだな、準備も必要だろうしな」
「ジョンなにか考えがあるのか?」
「あぁ、ちょっとしたものだけどな」
そうして発生源を特定した俺たちは街に戻ることにした