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ドリフトする一般兵士  作者: 田中山さん
一般兵士、戦士になる
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一般兵士、野営する

城に戻ってきた俺たちは何処に向かうべきかを国王に聞きに行くことにした、皆で謁見しようとしたのだがシエナが「任せてください、ちょっと行ってきますね!」と軽い足取りで「おとうさ…陛下戻りました!」と気軽に部屋に入っていった、少し部屋から騷しい音がしたが直ぐに静かになって、シエナが部屋から出てきた


「陛下曰く東の方角に強力な魔物が現れたらしいので討伐に行ってほしいとのことです!」

「なんか騒がしくなった様だけど…」

「え、ちょ、ちょっと注意されちゃって…次からは皆顔を出すようにと」


目が少し泳いでいる多分公衆の面前でお父さんと呼んだことを叱られたんだろうな


「ごめんね、シエナ次からは皆顔をだそうか」

「そうだな」


案の定カイトは気付いてないなみたいなのでここは合わせておくことにした


「今日は一度討伐に行ったし出発は明日にしようか」

「そうですね」

「じゃあここからは自由行動かな?」

「あ、そうでした、陛下から宝物庫からは駄目ですけど武器庫からなら好きな武器を持ち出していいとのことです」

「カイト見に行くか?」

「そうだな、剣は買ったけどそれ以外にも借りたい物があるかもしれないし」

「じゃあ行くか、二人はどうする?」

「私達も見に行きたいです!」

「じゃあみんなで行こうか」


武器庫についた、一般兵士の頃にも武器庫には入ったことがあるけどこの国の武器は凄いなどれも取っても高品質な物ばかり揃えられている


「実はここの武器庫はカイトさん達のために集められた様ですよ、少しでも力になればとの思いで揃えたらしいです」

「国王様には感謝しないとな」


さてとこんなにも装備があるんだじっくり選ばせてもらおうかな、盾とナイフが欲しいからそれを見よう


「ジョン、盾を使うのか?これまでは盾を持ってなかったよな?」

「改めて考えると剣で受け止めてると刃こぼれするからな、自分の戦い方を考えると盾を持ってたほうがいいと思ってな、あと万が一のためにナイフも2本ほど借りるか」

「前みたいに折れたら受け流すことが出来なるなるからないいと思うぞ、俺はこのナイフ借りようかなー」

「盟友」

「ん?」

「ナイフならこれがおすすめ」

「これは?」

「魔力の伝導率高いナイフだから切れ味や強度が非常に高くなる」 

「いいなそれ、じゃあそれにしよう、ありがとなケール」

「ん」

「ケールはナイフは持たないのか?」

「持ってる、お揃い」


なるほど魔法使いなら確かにこのナイフは丁度いいの品だな、今夜からはこのナイフに魔力を通す練習するか


夕食時、シエナが


「ジョンさんほんとよく食べますね」

「この国のご飯は美味しいからな、つい」

「そう言っていただけると嬉しいです」

「村でもよく食ってたよなあまりにも食べるから底無しなんて呼ばれてたな」

「また、不名誉なあだ名を持ち出してきたな、これでも抑えてるんだぞ」

「まだ入るのかよ…」

「そういえば、シエナさん東にいくんだよねどれぐらいかかるとかわかる?」

「馬車で3日程、東に進んだ所に魔物が現れたという話です、そこには街もあるので安全のためにも向かってほしいと言ってました」

「次行く街の飯も楽しみだな」

「また飯の話してる…」


夕食を終え部屋に戻った、早速ナイフに魔力を通す練習するか、このナイフは切り札になるはず、切れ味の確認為に木材を借りて試してみるが普通に纏わすだけでは切れ味は変わらないようだった


「盟友」

「またいつの間に来たんだケール」

「今、それより武器の芯に通す感じで魔力を注いでみるといい」

「その理由は?」

「ただ纏うだけだと武器の中にも魔力が伝わらない、だから内側から外に出す感覚でやってみるといい」

「やってみるよ」


ナイフを握り締める武器の中心に魔力を込める、それを広く伸ばしてみる、すると武器が薄っすらと光を帯びていた


「これでいいのか?」

「弱いけど、成功したみたい」


試しに木材を切る、魔力を纏わすときと違いすんなりと切り落とすことが出来た


「おお、すごいなこれは」

「このナイフはもっと切れるから精進して」

「ありがとうな」

「ん」

「この技カイトにも教えていいか?」

「シエナが教えに行ってる」

「なるほどそれは邪魔出来ないな」

「うん」

「因みにこの技誰が発明したんだ?」

「僕」

「すごいな…今日の討伐のときもそうだけどケールは何者なんだ?」

「一応宮廷魔法使い」

「国お抱えの魔法使いとは恐れ入った」


ぱっと見同い年ぐらいだが、この娘は凄い実力の持ち主だと改めて認識することになった、こんなに若くて才能ある娘を死なせる訳にはいかないなと決意をあらためるのであった


次の日城から出た俺たちは馬車に揺られていた


「まさか馬車まで用意してくれるとは」

「それだけ急ぎの依頼ということですよ」

「これだけ期待されてるんだ、絶対に討伐するぞ!」


気合入ってるなぁ、昨日の夜、魔力の使い方を姫様に教えてもらったからだろうか?


「カイト気合入ってるな、なにか良いことでもあったのか?」

「い、いや別に魔力の使い方を教えてもらっただけだよ

「ふーん、なるほど」

「なにニヤけてるんだ?」

「なんでもない」


またおじさんになってると言われたら困るからな別の事を考えよう、魔王とはなんだろうな現段階では魔物を従えてる事しか分からないが王国の敵ではある事は分かるそれ以外は何もわからないな、もしかして前世の魔物の襲撃も魔王絡みなのかも知れないな、まぁそれを知ることは恐らくないだろうけど


「で、どうなんだカイト、武器に魔力を通すことは出来たのか?」

「出来たけど、全力で込めたことはないな」

「魔熊を倒したときみたいなものは出来そうか?」

「わからない、あのときは必死だったから」

「なら今回の討伐で試して見るしかないな」

「だな」

「そういえば魔熊討伐の話きいてみたいです!」

「僕も聞きたい」

「カイトが魔力を使えるようになったきっかけだし話したほうが良いかもな」


魔熊討伐の顛末を話したところ二人に睨まれた


「カイトさんが魔力を使えるようにならなかったら死んでますね」

「無謀」

「仰るとおりで…その反省を活かして今回盾を持ってきた訳だから、許してほしいんだが」

「無茶しないか見守る必要がありますね、ケールお願いします」

「わかった」

「ジョン、信用されてないな」

「まったくだな」


当然1日では目的地に辿り着くことはできないので野営することになった


「みんな野営ははじめてか?」

「私とケールはしたことありますよ」

「流石冒険者だな」


まさか姫様が野営をしたことがあるとはな、王様は放任主義なのか無頓着なのか?


「交代で魔物が来ないか見張ろうか」

「そうですね」

「どう分ける?」

「ジョンと俺が最後にしよう」

「なら最初はカイトとシエナさんからだな次にシエナさんとケール、俺とケール、最後に俺とカイトだ、ケールに少し負担かかるけどいいか?」

「まかせて」

「俺とシエナか…」

「なんだ嫌か?」

「い、いやそれで頼む!」

「了解じゃあ、お先に寝るぞ」

「お、おう」

 

馬車に揺られて疲れていたのか直ぐに眠りに落ちていった、気がつくとケールに体を揺すって起こしてくれた


「あぁ、順番かありがとう」

「ん」

「初めての野宿だから体をが痛いな」

「おじさんみたい」

「ケールは野宿したことあるらしいけど痛くならないのか?」

「慣れた」

「やっぱり慣れか、これから沢山野宿するだろうし慣れないとな」

「うん」

「シエナさんは実はお偉い人の娘なんだろ?なんで冒険者になったんだ?」

「シエナの正体知ってるの?」

「偶に自爆してるからな、カイトは気付いてないみたいだけど」

「実は冒険者してるときもこっそり護衛が見張ってたよ、シエナも気付いてた」

「今は護衛は居ないみたいだな」

「カイトとジョンを信用してるからだと思う」

「初対面の人に対しての信用度が高いな」

「王様は人を見る目があるから」

「ありがたいことだ」


かなり信頼されてるみたいだ警戒心なさ過ぎなのでは


「警戒する必要な人には僕も見えない」

「ほんとか?」


隣に座ってそっと手を握る、ケールの表情は変わらないようだった


「ここまでしか出来ないから警戒してない」

「ま、まあこれ以上手は出さないけども…」


なんかヘタレって言われてるような気がするが…


「信用してくれてるなら悪い気はしないな」


俺はケールと王国での暮らしや自分の村の話、魔法についてなどの世間話を楽しんでいた、勿論火が消えないよう薪をたしながら、暫くするとケールが眠たそうにしていたのでカイトと交代させることにした


「カイトと交代するか?」

「ん」

「出番かジョン」

「起きてたのか」

「さっきな、で手を繋ぐほど仲良くなったのか」

「ん?」


忘れてた、あのときから手を離して無かったのか


「おっと、悪かったな」

「気にしてない」

「一夜にしてこれとはやるなジョン」

「からかうな、ケールおつかれ」

「ん」


そう一言言ってケールは横になった


「カイトはどうなんだ?シエナさんとは話せたのか?」

「緊張して全然話せなかった…」

「ヘタレだな、せっかく一緒ににしたのに」

「あれわざとだったのか…」

「今後も見張りの時この組み合わせになるよう狙うからな」

「よ、よろしくたのむ?」

「なぜ疑問形なんだ…」


恋愛に関してはまだまだ青いなと思いつつ雑談をし夜が開けていった

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