表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ドリフトする一般兵士  作者: 田中山さん
一般兵士、戦士になる
6/25

一般兵士、戦士になる

馬車は門をくぐり抜け町中へ入っていったカイトは興奮気味にあれは何かこれは何だと使者に質問攻めをしているようだった


しかし大きい街だな前世いた街でもこんなに大きくなかった…さぞいい国王なのだろう、おっあそこの屋台の串焼きは美味そうだな、あの店も良さそうだ、時間あれば食べ歩きしてみたいな…とカイトとと同じ様に色々と目移りしているのだった


使者が城前の門番に開けるように合図をしている、前世の職業をここから見ることになるとは思わなかったな…この世界でも仕事内容はあまり変わらないんだなと、思うと心のなかでクスリと笑ってしまった、いつもご苦労さまです


珍しそうな目線を受けながら王様がいる部屋の前までやってきたカイトは「な、なあどうしたらいい?」と聞いてきたため使者の真似をして敬語で話せば問題筈だと答えておいた、そして扉が開かれる


「グーテ国王、勇者カイトとその友ジョンをお連れしました」

「うむ、ご苦労勇者カイトよ、よくぞ参った」

「は、はい」

「そんなに固くならなくても良い、こちらから呼び出したのだからな」

「ありがとうございます」

「してジョンは何者だ?」

「私の友人で共に剣の修行を行う仲であります、剣の腕は私より上なのと先日の魔熊討伐の際時間を稼いでくれたのはジョンです私の戦い方を熟知している友が必要だと思いまして」

「なるほど、ジョンよ、そなたは剣が得意なのだな」

「はい、それなりの腕はあると自負しております」

「よろしい、では魔王討伐の一員として加えよう頼むぞ戦士ジョンよ」

「かしこまりました、グーテ国王」


こうして前世、一般兵士だった俺は戦士になるのだった


「して、紹介したいものがいる」

「誰でしょうか?」

「この旅に同行する者だ、まいれ」

「私は第一王じょ、じゃなくて聖女のシエナと申します」


お姫様かよ…国王さんなにしてんの…


「その友人の魔法使いのケールだよ」

「俺はジョン、戦士だ、よろしく」

「お、俺はカイトです、よ、よろしくお願いします!」


異様にカイトが緊張しているシエナさんと上手く目を合わせられないようだった

…ふーんなるほどねぇ、惚れたか、若いっていいねぇとしみじみとした目でカイトを見ていたら


「なんだよ、若者を見るようなおじさんの表情して」

「だね」

「ですね」

「お、おじさん…」


ま、まぁ確かに、前世の記憶と合わせたらそれなりの年齢だけども!

おじさんかぁ、ちょっと傷ついたなぁ…とガックシしているとシエナさんが


「よ、良かったら城内を見ていきませんか?」


と提案してくれた、まぁほぼほぼ自分でお姫様って言ってたし城内は自由に出入り出来るだろうな、カイトは気付いてないみたいだけど…


「いま騎士たちが訓練してるんですよ良ければ見学されませんか?」

「ありがとうシエナさん、俺たちは二人でしか訓練してこなかったので騎士様の訓練が気になります、なジョン?」

「そうだな、確かにどんな訓練や戦い方をしているのか気になる」

「ではこちらです!あとカイトさん、私はシエナって呼び捨てでいいですよ!」

「は、はい!」


あらまぁ、顔真っ赤にして、純情だねぇ


「ジョンまた、おじさん顔になってる」

「勘弁してくれ、ケールさん…」

「僕もケールでいい」

「わかったよケール」

「ん」

「あ、邪魔にならない様こっそりでお願いしますね」


そりゃそうだ、お姫様が見てたら騒ぎになる、広場につくと騎士たちが訓練をしていた、練度たかいな、大勢で同時に剣を振っている、どうやら弓兵、魔法使いもいてどこも非常に強そうな印象を受けた


「これだけ強いなら魔王とも渡り合えそうだけど」


とカイトが聞くと


「いいえ、魔王を討つには光の属性が必要なんです」

「そうなの?」

「はい、魔王は、闇の属性の魔法を使うらしくそれに対抗するのに光の属性が必須なんです」

「なるほど、ならもっと光の属性の特訓しないとな」

「はい、一緒に頑張りましょうカイトさん」

「え、一緒ってシエナも光の属性つかえるの?」

「はい、なので一緒に練習しましょうね」

「は、はい」


その夜、二人、寝室で話ししているときにカイトが


「やばい、シエナさんに恋したかも」

「見てりゃわかるわ」

「まじ?」

「わかりやすい反応だったぞ」

「うわー恥ずかしいなぁ」

「シエナさんは気付いてないみたいだけど」

「嬉しいやら悲しいやら」

「まぁ今後意識してもらえばいいんじゃないか?」

「だな!」

「前向きだなぁ」

「だろ?ジョンは飯に目が行ってたなぁ」

「当たり前だ、王国の飯なんて初めてだからな、明日は街で食べ歩きしたい」

「いや、明日は武器見に行って出発だからな?」

「そうだったな」

「しっかりしろよー」

「わかったって、寝る前の修行すっから部屋にもどれよ」

「了解、じゃあな」


カイトが部屋を出ていく、さてと何時もの始めますか、精神を研ぎ澄ます、魔力を集めて凝縮する伸ばす全身に纏わしてから一部に纏わす等を暫くやっていた


「うーん、こんなもんかな」

「君、魔力の操作うまいね」

「うお、ケールいたのか」

「カイトが出てから見てた」

「がっつり見てるじゃん…」

「君、戦士だよね、なんで魔力操作の練習を?」

「使えるときが来るかもしれないからな念のためな」

「いいね、君にはこれを進ぜよう」

「これは?」

「盟友の証」

「なんだそれ?」

「あの二人を見守る会の会員バッジ?」

「あーなるほど、ケールもあの二人に注目してると」

「そ」

「だから盟友として共に見守ろう」

「お、おう」


そうしてケールは部屋を出ていった、自由気ままだなアイツ…


次の日


「おはようカイト」

「おうジョン、今日は武器屋だぞ」

「わかってるって」

「カイトさんおはようございます」

「お、おはようシエナさん」

「カイトさんシエナでいいですって」

「う、うんシエナ」

「はい!おはようございます!」


朝からいちゃついてんねぇ…お、これ旨いなと飯を食っていると


「遅れた」

「遅いですよ、ケール」

「ごめん、おはようジョン」

「ん?あぁ、おはようケール」

「ジョンいつの間にケールと仲良くなったんだ?お揃いのバッジなんかして」

「ホントですね!」

「盟友の証」

「盟友?」

「そ」

「ま、志が同じってことだ」

「なるほどー恋仲だとおもいましたー」


シエナが目をキラキラさせながらケールを見ている


「恋仲ではないぞ友人なだけだ」

「『まだ』ですね!」

「…」


どうやらお姫様は色恋沙汰がお好きみたいだ


「取り敢えず今日からこの4人で魔王討伐に行くんだろう?まずは武器屋に行こうか」

「待ってました!早速行こうぜジョン!」

「まぁ待て、これを食い終わってからな」

「はぁ飯になるとこれだもんなぁ」


飯は数少ない楽しみだからな、しっかり楽しまねばならないそういやケールは朝御飯を食べたのだろうか


「ケール、朝御飯は食べたのか?」

「急いで来たから食べてない」

「しっかり食わないと元気出ないぞそら食え」

「あーん、ん、旨い」

「だろ、これ旨いよな」

「これで恋仲じゃないのか…」

「やはり恋仲なのでは!?」

「「ちがう」」

「息ピッタリですね!」


食べ終わったし面倒なので切り替える事にした


「よし、武器屋に行くぞ」

「やっとか、待ちくたびれたぞ」

「わかりました、いきましょうケール」

「ん」


城を出て街に入る屋台に後ろ髪を引かれながらも武器屋で良さげな剣を購入し店を出た所でシエナが


「冒険者としても登録しときましょう!」

「なるほど、路銀も必要だしな」

「早速行きましょう!」


この旅の路銀を稼ぐため、冒険者の集まる場所に移動することになった

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ