第33話 モデル女子高生な彼女は許嫁
俺の名前は園山淳
普通の高校2年生である。
通っている学校も普通だが、1人目立つ生徒がいる。
世間で注目されている女子高生モデルがいる。
「今日もきれい……」
「天使だ……」
「憧れちゃう……」
彼女の名前は桐谷美織
高校生離れした美貌とスタイルで男女問わず人気があり、それは多くの人間の人生に影響を与えたとか与えていないとか。
「あーあんな美人と付き合いてぇな、まぁ俺たちのような一般人じゃ高嶺の花すぎるか」
「俺たちの天使と付き合うような男は前世で世界でもすくってるんだろうな」
という話もクラスメイトからちらほら聞こえてくる。
まさか世間の誰も思うまい。
あの大人気女子高生モデルの美織が、
「ただいまー」
「おかえりなさい淳」
俺の許嫁だなんて。
もともと俺の両親と美織の両親が仲が良かったこともあり、小さいころから付き合いはあった。
それで俺たちの知らないところで話が進んで許嫁みたいなことになったようである。
そしていつも何か一つ屋根の下で2人で暮らすようになって半年が立っていたりする。
本当にありがたいことにお互いすきあっていることもあって結婚を前提のお付き合いをしている。
「淳? そんなにこっちを見つめてどうしたの?」
先に帰宅して料理をしている美織を見つめる。
「いやぁ、クラスメイトはみんな言ってるんだけど。天使を独り占めしていいものかと」
「えー、そんなに褒めても何も出ないんだからね」
「出てる出てる、吹きこぼれてるから」
「あらら」
「それにしても今日の料理は豪勢だな。何かあったか」
「もう、忘れちゃったんの。今日は同棲し始めてちょうど半年の記念日じゃない。だから張り切ってご飯を作ったけど、作りすぎちゃった」
かわいいな。
「じゃあいただきます」
「そして今日は記念日なので、私が全部食べさせます」
「え」
「はい、あーん」
「うーん、おいしいしかわいいし、やっぱ俺の彼女は大人気女子高生モデルだけあって最高だ」
「そしてそれを独占できる権利は世界中であなただけなんだからね」
「彼氏ってすげぇな」
「そうだよ! 彼氏だから何をしてもいいんだからね」
「まじかよ……」
「ただし……浮気だけは許さないんだからね♪」
俺に対してウインクしながらかわいいポーズで言ってくる。俺の浮気など微塵も疑っていない。
「こんなにかわいくて完璧な彼女がいて浮気をするわけがないだろう」
「なるほど、じゃあこれは何かな?」
「そ、それは俺の部屋にあったお宝秘蔵本……」
「はいこれは浮気です。完全な現行犯です。ギルティです!」
「でもさ、相田ちゃんはさ……」
「相田ちゃんって誰よ!」
「……その秘蔵本の表紙の女性です」
彼女の前でお宝本の表紙の女性の名前を言わされる悲しい状況。
「そんなことはどうでもいいわ!」
「ええ~」
「このことについて反省するならまだしも言い訳をするなんて……、しかもベッドの下に隠そうとするわけでもなく、普通の本と一緒に丁寧に50音順に並べておくなんて……、見つけた時の私の気持ちがわかるのかしら?」
「非常に申し訳ないと存じております」
「くすんくすん、淳は私のこと外見しか好きじゃないんだわ……、自分のことは自信あったのに、彼氏1人も繋ぎ止められなくて何か人気モデルなのかしら……。こんなにも私は淳の事愛してるのに」
「待ってくれって、俺は浮気なんか一切しないし、美織のことを愛してるから」
「言い訳なんか聞きたくありません! 耳をふさぎます。聞こえませーん」
彼女がいじけてしまった。
こうなるときちんと言ってあげないと話が進まなくなる。
俺は美織の頭を撫でる。サラサラの絹のような手触りでこれを許されているだけでも俺の特権だ。
「んぅ……」
いじけながらも頬を赤らめて甘えた顔をする。
「俺はちゃんと美織のことを愛してるよ。モデルの仕事が忙しいのに、料理を作ってくれるし、毎日学校でも笑顔を絶やさずに毎日周りを明るくしてくれてるしてるし……」
「あ、ありが「それにいい匂いするし」
「それはなんか変態っぽい! 後それを1番台後に持ってくるセンス!」
突っ込みが入ってきた。ちょっと機嫌は直ったようだ。
「とにかく俺は美織が大好きなんだ! 言葉で表せないくらい!」
「……じゃあ証拠……「
「へ」
「私が好きって証拠を見せて」
「……手でもつなぐか」
「もうちょっとレベルを上げて」
「ハグ?」
「もう一ランク!」
「まさか……〇ッ〇〇!」
「飛び越えすぎ! キスしてほしいんだよキス!」
「わかった。お前が満足するまでする」
「え」
その後無事仲直りできた。
そんなこんなで俺と美織の平和な同棲生活は続いていたのだが、とある日。
「おい淳見てみろよ」
友人が俺にスマホを見せてきた。
「どうしたんだ」
「俺たちの天使とあのイケメン俳優代田が熱愛発覚だってさ!」
友人のスマホには美織と、今人気のイケメン俳優のツーショットの写真があった。
「朝からテレビも含めてクラスも話題もちきりだ。SNSでもトレンドになってる」
「ふーん」
「ついに天使も残念だな思うところもあるが……まぁ代田じゃしかたないか」
「ただいま~」
「淳! 聞いて、あれは違うんだよ!」
帰宅後、すぐに俺のところに美織が走ってきた。
「どうしたんだよ急に」
「淳も聞いたでしょ! 代田さんと私がどうのこうのって」
「ああ、クラスメイトから聞いた」
「だから聞いて、本当にあれは違うの。あれはお仕事で一緒に食事をしただけなの! 全然プライベートであったりもしてないし!」
「はぁ、落ち着けって」
俺は美織を軽く抱きしめる。
「俺は一切美織のことを疑ってないからさ」
「本当……?」
「ああ、信じてるからさ」
「ぐすん」
「あ、なんで泣いてるんだ! 誰に泣かされた! 美織を抱かせる奴は俺がぶっ飛ばしてやる」
「……淳が泣かせた」
「なんだと! 俺か! 待ってろ! 俺が俺をぶっ飛ばしてくる」
「うぇぇぇん! 淳が優しいこと言ってくれるから泣いちゃってるんだもん! ちょっとおバカなところも本当に好きー!」
そして5分ほど泣く美織を慰め続けた。
「よし、今日は腕によりをかけて料理を作るからね」
「ちなみにちょっと俺がおバカなことについて一言釈明をいただけますか」
「え、淳はちょっとおバカでしょ」
俺と美織の関係は特に関係は変わらなかったが、イケメン俳優代田と美織の熱愛報道は続いていた。
「ねぇねぇ美織、代田さんとはどこまで進んでるの~」
「わ、私は代田さんとはそういう関係ではなくて」
「またまた~、今更じゃん、ごまかさなくていいよ~」
このような絡みを美織がされるのは日常茶飯事となっている。
美織は俺に気を使って、俺と付き合ってることは意地でも話そうとはしないので、俺もその気持ちは汲むことにしていた。
しかし、挙句の果てには。
「噂の美織さんとの関係は」
「はは、ご想像にお任せします」
当事者の代田がにおわせるような発言をしたことで、自体がさらに悪化した。
「ただいま……」
「おかえり、最近帰りが遅いな、忙しいのか」
「それもあるけど……、例のあのことで付きまとわれてね……、今からご飯を作るから……」
「今日は俺が作ったから、美織は休めよ」
「ご、ごめんね」
「謝ることなんかないよ。いつも忙しいのに美織が作ってくれてるんだから、忙しいときは俺が作るよ」
「ありがとう」
どれだけ仕事が忙しいときでも笑顔を絶やさなかった美織が疲れた表情をしているので心配になった。
~サイド美織~
「お疲れさまでした~」
はぁ今日の撮影がやっと終わった。
最近は仕事が忙しいのと騒動が重なって、すっかり淳と一緒にいられる時間が減ってきてしまっている。
早く帰って淳成分をもらってイチャイチャしたい。
「やぁ美織ちゃん」
すると私の前に代田さんがいた。
代田さんはここの仕事は一緒じゃなかった気がするけど……」
「あ、こんにちは。いらっしゃったんですか」
「うん、僕もこの近くで撮影があってね。よかったらこの後食事でもどうかな?」
「……」
実はあの報道がある前から代田さんは私に絡んでくることが多かった。
私はこの人が苦手だ。確かにイケメンではあるだろう。
ただ頭の先から足の先まで嘗め回すようにじっとりとみてくる視線が好きじゃない。
「いえ、私はこの後予定があるので」
「そっか、それは残念」
「では失礼します」
「ふふ」
一例して背中を向けた後に少しだけ聞こえてきた代田さんの小さな笑い声に不安を覚えた。早く、早く淳に会いたい。
~美織サイド終わり~
「……」
「おかえり、美織どうした。ただいまも言わないで」
「ぐすんぐすん」
「どうした。誰に泣かされた!」
帰宅の返事もなく泣き出した美織に俺は不安を覚えた。
「……淳に泣かされた……」
「また! 俺は俺を殴る!」
「いつものお惚けはいいから、今日はちょっと抱きしめて……」
俺は強めに美織を抱きしめる。
「何があった」
「何もない」
何かあったらしい。
弱弱しい笑顔がとても不安になった。
次の日、
美織は1日仕事で学校に来ない。
もちろん今日は平日なので、俺は学校にいないといけないが、俺は昨日の彼女が心配過ぎて今日は仕事先についてきていた。もちろん本人には内緒でこっそりと。
そのまま夕方まで撮影を見ていただ、特に異常は見られなかった。
時代劇の撮影だったので、和服姿の美織が見られたかわいかった。
美織の撮影も終わりそうだし、俺もばれないうちにそろそろ帰るか。
そう思った矢先、
「ちょっとやめてください!」
美織の声が聞こえたので俺は声の方へ向かった。
「なんでだよ、少しくらいいいじゃないか」
美織は撮影スタッフから離れて休憩していたようだだったが、そこにいたのは代田だった。
「なんで僕がいつも誘っても断るんだい」
「だから予定があるといつも言ってるじゃないですか」
「僕と過ごす以上の予定なんかないでしょう。君は僕の彼女なんだから」
「いったい何の話ですか! 私は代田さんの彼女になった覚えはありません!」
「ははははは!」
代田の声が響く。
「君が何と言おうと無駄だよ。世間はもうそう思ってるからね。僕が広めたこの写真でね」
「ま、まさか!」
「そう、報道機関に写真を渡したのは僕さ。君が逃げられなくするためにね。僕は報道関係に強い味方がいるんだ。君が僕のものにならないというなら、あることないことを流して、この世界で生きていけなくすることもできるんだよ」
「そんなこと……」
「できるんだよね。君が何を喚こうが無さ。単純に女子高生モデルと俳優な僕だけでも信用度は違う。大人と子供の違いさ」
「これで分かっただろう。あきらめて僕のものになれ」
「いや、離して……」
田代が美織の左腕をつかむ。
「往生際が悪いなぁ。ちょっと僕とホテルに来てくれるだけでいいんだって」
「ちょっと待て!」
さすがに見ていられなくて、俺は2人の前に出る。
「なんだ君は!」
「淳!」
代田が驚いて俺の方を向き、その隙に手が離れた美織が俺の方に走ってきたので抱き留めた。
「淳……淳……」
「ちっ、クソガキが、手間取らせやがって。その女を手に入れるために、この俺がどれだけ時間かけたと思ってるんだ」
「それがイケメン俳優代田の本性なのか」
はっきり言って怖い。
「わかったら、さっさとそいつをこっちに渡せ。そいつは俺の女なんだよ痛い目見たくないだろう」
それでも、大事な許嫁を守れなくて、何が男だと思う。
「黙って聞いていれば美織をものみたいに扱って……俺の大事な恋人にひどいことを言うな!」
「は、はぁ? 恋人だぁ?」
「ちなみになんだが、さっきのやりとりは全部スマホで録画したからな」
俺はスマホの画面を代田に見せる。
「ふ、ふざけるな! それをこっちに寄越せ!」
田代に思い切り襲われて、スマホが飛んで行ってしまう。
「どうしたんだい? なんでここに代田君が……」
そして飛ばされたときに動画の再生ボタンが押されたようで先ほどのやり取りが再生され、それを今日の撮影をしていた監督が見るという結果になった。
「……代田君、このことは報告させてもらうからね。残念だよ、君は真面目な青年だと思っていたのに」
「か、監督、それだけは!}
監督を追いかけて代田はどこかに行ってしまったので、この問題は解決した。
実は俺が撮影していなくても、このやり取りを見ていた人が別にいて、その人がSNSにアップロードをして大炎上。代田は永遠にこの世界にいられなくなるのであった。
一方俺と美織はというと、
「おい、淳! 俺たちの天使とお前が恋人同士ってどういうことだよ!」
そう、SNSには当然俺と代田の立ち回りも入っていたので、俺が美織と恋人であることも白日の下にさらされることになったので、俺は違う意味で炎上していた。
「大丈夫淳……」
放課後に俺が疲弊していたので、美織にねぎらわれていた。
「ああ、動画が上がった時点でこうなる覚悟はしてたからな。しかし質問攻めが大変だ」
「ごめんね。私を助けてくれたせいで」
「いいって、ずっと隠し通すのも大変だったし……それに」
「それに?」
「いい加減俺の彼女があの天使なんだぞって自慢したかったしな」
「……もうやっぱりおバカなんだから」
俺の彼女は人気な女子高生モデルだ。これからも今回みたいな大変なことはあるのだろうが。
それでも俺は彼女の隣にいたいと思う。




