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日常の文学シリーズ

悪役令嬢の宴

日常の文学シリーズ⑨(なろうラジオ大賞 投稿作品)

(エリ)

 チヒロは性格が悪い。

 私と二人だけのときはいつもユイの悪口を言っている。この前なんかユイのことビッチとか言ってた。ちょっと自分が可愛いからって調子にのってると思う。

 チヒロはすぐ人のせいにする。この前別れた彼氏の悪口さんざん言ってたけど、どれも自分に原因があるのに相手のせいにしてた。仕事ばっかりでかまってくれなかったとか、記念日忘れてたとかそういうのばっかり。あーいうのを「めんどくさい女」っていうんだろうな。私はあんな風になりたくない。

 今日だって、チヒロが集まろうって言ったのに遅刻してる。私の家に10時集合だったのに、もう十五分も過ぎてる。そういうところほんと苦手。


(チヒロ)

 ユイは本当に嫌な奴だ。私と二人だけの時はいつもエリの悪口を言っている。この前なんか、「エリは男心がわからないから一生彼氏できない」なんて言っていた。ちょっと自分がモテるからって良くないと思う。

 ユイは隙あらば自分の彼氏自慢をする。彼氏のことをさも自分のことのように。彼氏がいい大学行ってたって自分の頭がよくなったわけじゃないのに。イケメンと付き合っても自分がかわいくなったわけじゃないのに。そのくせそういう男と別れるたびに「やっぱ大事なのは中身だよね~」なんて言う。いやな女だ。

 今日だって、「合コンのあと行くわー(笑)」とか言っている。男と友情どっちが大事なんだ。こういうところすごく嫌い。


(ユイ)

 エリのことは嫌いだ。私と二人だけの時はいつもチヒロの悪口ばかり言っている。この前なんてチヒロに対して「服装がダサすぎて一緒に歩きたくない」なんて言っていた。ちょっと自分が服に詳しいからってひどいと思う。

 エリはセンスアピールが激しい。この前三人で一緒に買い物いった時も、いちいち私たちが買うものにケチつけてきてほんとに鬱陶しかった。私たちのグループのファッションリーダーにでもなったつもりなのだ。

 今日だって、集合場所をわざわざ自分の家にした。どうせ家具の自慢でもするつもりだろう。こういうところほんと直してほしい。


「ごめんごめん、遅れちゃった~」

「全然いいよ~」

「逆に先に始めててごめんねー」

「ねね、それより聞いた?サエの話」

「聞いた聞いた。サエマジ最悪~」

「昔からそういうところあったよねー(笑)」


 …こうして宴は夜更けまで続くのであった。


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