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爆縮と体温の機知(5)

現代人

人のそれを見て

何を思おうと変わらず

のたうち回ることも無い

どんな風になろうと

構わないと佇み

時間を捨て

人を捨て

命だけに従順に生き

立ち直ることも

立ち上がることも

ましてや

力強さなどとは縁遠く

自らの存在に

自然の重力を受け

この地面を

少しだけ凹ましている


空を見て青だと思い

海を見て青だと感じ

その貧弱さに

思い悩むことも無く

人の泣き顔も

人の笑顔も

自らの物では無いからと

認識のみで深く考えない

感情だけは動かず

命令だけでも行動せず

あたかも

道端の地蔵様のように

苔と共に並び

座り込むだけでは無く

寝ているだけでも無いが

中腰の姿勢で

夕陽を眺める


噛み付くことを最小とし

嘘を吐くことを最大にし

一つの真空パックを作り

それを川に浮かべては

海まで流れるかを

確認して遊ぶ

とりあえずと言いながら

どこか

絶対を欲しがっていて

感情に近いほど

それは大きくなり

一人を潰して

一人を喜ばせ

残りは通り過ぎ

パタパタとなるエアコンに

あーというだけの

アプリケーション内を

説明書を破りながら

楽しんでいる


氷が必要なのか

火が必要なのか

誰も分からず

ただの剥製になると

どこかで諦め

化け物として

オリジナリティを崇め

人の勝手を自らの勝手と

混合しながら

他生物まで巻き込もうと

画策し

命を大切にしているという

一つの軽さに気づかず

自分の世界を作り上げて

そこに並べる

生体部品を探し

溢れた雫が

一つであるにも関わらず

鬼の形相で守り

感情と経済を結びつけ

犯罪と思想を隣に置き

骨になるまで叫び

骨になってからも荒ぶる

肉と骨の区別もままならず

空から痛みを見ない

可愛げと堕落に生きる


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― 新着の感想 ―
[良い点] 完成してる。 読みやすい。チープさも感じ無い。めいろさんらしくて……ああ、でも内容的に普段より色が無いのか。 でも、今までで一番好き。 [一言] とりあえずと言いながらどこか絶対を欲しが…
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