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テスト前と言うことで、部活もなく、放課後の校舎の中は怖いぐらい静かだ。
きっと図書室なら、人は多いんだろうケド。
誰もいない廊下を歩いていると、後ろから声をかけられた。
「美咲センセっ!」
「かづっ…じゃない! 世納くん、まだ残っていたの?」
思わず名前で呼んでしまい、慌てて言い直す。
彼は間近に来て、止まった。
「今なら誰もいないから、名前で呼んだって大丈夫じゃない?」
「…そうもいかないでしょ? どうしたの?」
声を潜めて尋ねると、彼は笑顔で首を傾げた。
「最後の充電しに♪」
そう言うなりいきなり抱き締められた!
「ちょっちょっと! ここは学校の中だってば!」
「今は人いないから大丈夫だって。それにこれでしばらくは美咲に触れられないんだから、ちょっとの間だけ、ね?」
「うっ…」




