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ベッドの上に下ろされ、髪を優しく撫で上げられる。
「ねぇ、美咲。美咲もオレに夢中でしょう?」
「さあね」
「強がっちゃって。まあそういうところも好きだけどね」
どくんっ…!
悪魔の甘い微笑に、高鳴ってはいけない胸が鳴る。
「好きだなんて…簡単に言わないでよ」
「だって美咲のこと、大好きだし。美咲はオレのもの。大事に可愛がってあげるよ」
「高校2年生のセリフじゃないわね」
「アメリカ帰りだからね。精神年齢が高いんだよ」
「生まれつきの性格じゃない?」
「そうかもね。小さい頃から、気に入ったものは1人占めするタイプだから」
どんな皮肉も彼には通じない。
「大好きだよ、美咲。一生可愛がってあげる」




