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「しょうがないでしょ! あなたはあくまでも、生徒なんだから」
「はいはい。じゃあその間は別の場所で、ね?」
意味ありげに笑った彼は、英語準備室を出て行った。
別の場所…会わないという選択肢は無いのか。
「はぁ…」
乱れた服装を直し、イスに座る。
彼が卒業するまで、あと約2年…。持つだろうか、アタシの体と心。
ぼんやりしていると、扉がノックされた。
「はっはい!?」
「美咲、わたしよ」
「涼子? どうしたの?」
声をかけると、涼子は扉を開けて入ってきた。
「『どうしたの?』はこっちのセリフよ。最近ぼんやりしちゃってさ。世納クン、授業に出るようになったんでしょ? 喜んでも良いのに」
「よっ喜んではいるわよ。ただ…」
「何よ?」




