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嬉しそうに額にキスをする彼を見て、本気なのを悟った。
「そっそんなに弱くないから、アタシ…」
「そうかな? 押しに弱い気もするけど?」
「誰のせいよ?」
「オレのせいだね。だから責任をとって、一生面倒を見てあげるよ」
「社会人になってから、そういうことを言いなさい」
「厳しいなぁ、美咲は」
アタシを腕の中に閉じ込めながら、何度もキスをし、触れてくる。
その優しさと甘さに、溶けそうになってしまう…。
このまま彼に、全てを預けてしまいたい気持ちになる。
けれど予鈴の音で、目が覚めた。
「ほっホラ、お昼休みはもう終わりよ! 授業にはちゃんと間に合うように行きなさい」
「はいはい。それじゃ、また夜に電話するね」
「テスト1週間前からは、家に来るのも禁止だからね」
「うっ! それは本気でキツイんだけど…」




