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「うん、かけない。美咲に誓うよ」
アタシの左手を取ると、薬指にキスをする。
まるで誓いのキスのように…。
「それと…あくまでも秘密よ? このことは…」
「分かっているよ。美咲に迷惑は一切かけない。学校にいる間は、普通の生徒だよ。…今を抜かしてね」
アタシの体は壁に付けられ、そのままズルズルと床に落ちていく。
「オレと美咲のこと、他の誰にも言うもんか。二人だけの秘密だよ」
「そう…ね」
床に倒れたアタシに覆い被さる彼は、男の顔をして微笑んでいた。
欲しいものを手に入れて喜んだ悪魔の微笑…思わず心奪われる。
近付いてくる彼の首に手を回し、アタシは彼を…受け入れた。




