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「ん~。でもオレ、美咲の困った顔、好きなんだよね」
「なっ何よそれ!」
「いつもは完璧な教師の仮面を被っている美咲が、オレのことになるとちょっと困ったような顔になるのが嬉しいんだ」
「…それはあなたが問題児だからよ」
「だろうね。だからあえて授業に出なかったんだけど?」
「イジワルね! そんなんじゃ女の子に嫌われるわよ!」
「別に良いよ。オレは美咲にだけ好かれればそれで良い。他のヤツなんて必要ないもの」
そう言った彼の表情は、怖いほど真剣だった。
「だから美咲、オレだけのものになるって言って? そしたらもう、美咲を困らせることは絶対にしないって誓うから」
ぎゅっと抱き締められ、目の前が眩む。
彼の匂いが、アタシの体の中に染み渡るから…。
「美咲だって、オレが良い子になった方が嬉しいデショ?」
「どこが良い子よ。悪魔だわ」




