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そう言って満面の笑みを浮かべる彼を見て、思わずイヤな予感が浮かぶ。
なっ何だろう? 補習を軽くしろとか? もっと授業レベルを上げろとか?
いろいろな考えが頭の中を巡った挙げ句、結局聞いてみることにした。
「…ちなみに、その『お願い』って、何?」
「うん。ねぇ、センセ。オレのものになってよ」
「………はい?」
彼の言葉を理解するのに、たっぷり30秒は必要だった。
「オレのものになって。そうしたら、センセの言うこと何でも聞いてあげるからさ」
目の前にいるのは…教え子ではなく、悪魔なのだろうか?
一瞬そんな考えが浮かぶほど、混乱しているアタシ。
「もっものって…」
「オレ、センセが気に入ったんだよね。そのめげない性格とか、問題児を軽蔑しないところとかさ」
「あなたはアタシの教え子です! そんなことするワケないでしょう!」




