プロローグ
あなたにとって最も強い能力は何ですか?
不死でいることは強いと思いますか?
死なないことは無敵だと思いますか?
死にさえしなければ最強だと思いますか?
「うーん…何だ、夢か…何だったんだ、あの変な夢は」
俺は目が覚めて寝ている時に見た夢のことを思い出す
夢の中では、誰かが俺に問いかけるように何かを言っていた
「なんだったっけなぁ…えーと、最強の能力…だっけ?」
そう、夢の中で俺は最強の能力は何か、質問されていたのだ
「それにしても、その後の質問がへんなかんじだったなぁ…
妙に不死身の力を推してたし。
そんなに不死身が好きだったのかな?」
そう言いながら、俺は自分の手をまじまじと見た
「不死身なんて、どうせ大して強くないよ
ただ傷が治るだけ
ただ病気にならないだけ
そんなののどこがいいのか…
唯一いいことがあるとしたら命の大切さを知れることかな」
そう、こんな力なんの意味もない
俺は[無死の力]を持っている
だからなんだ、それがどうした
この力なんかになんの価値もない
この力は宿主である俺に苦痛を与える
死ねない苦痛を
死ぬほうがマシと思えるほどの苦痛を