三話 出会い
今回長いです。何卒よろしくお願いします(-_-)
750年前
俺は生まれてすぐに親に捨てられ、死にかけていたところをドラゴンに拾われ一命を取り留めた。
ドラゴンは俺の体に宿る人間にはあってはならない力を見抜き、幼いころからこの力の使い方を教えられた。
友達ができたら悪ふざけでも叩いたり蹴ったりしない、デコピンも絶対ダメ。お箸は軽ーく握る。などなど…。
ドラゴンはとても優しかった。何もできない俺にドラゴンはいろいろなことを教えてくれた。
何年かして、俺は力のコントロールの仕方をマスターした。
俺はドラゴンに連れられ町に行った。
この時なぜかドラゴンは俺を鎖で縛っていた。
とても悲しい目をしていた。
暫くして何万何十万という数の人や戦車、ヘリに囲まれ俺は解放された。
ドラゴンは色々な攻撃を無抵抗に受け、みるみる衰弱していった。
反撃すれば間違いなくドラゴンが勝っていただろうに。
そしてドラゴンが命を落とす前、俺にメッセージを送ってきた。
《そういえば、未だに名乗ってなかったな。我の名はリゲル。ドラゴン族の長だ。君は善良な人間で力もある。絶対に欲望にまみれたモノになってはならぬぞ。これからきっと過酷な日々が続くだろうが、うしろは振り返ってはならぬ。前だけ見て悔いが無いよう楽しく生きろ。さらばだ》
それから俺は色々な研究所に連れまわされた。
ドラゴンに育てられていたということでつらい検査を何度も受けた。
だが、ドラゴンの言葉を何回も脳内に再生して、どんな苦痛も耐えた。
そして、何度も検査を受けているうちに研究者たちに存在意義を認められ、今の人類の現状について詳しく説明を受けた。
その後、俺は二人に出会ったのである。
よくわからないが、欠けていたパズルのピースがカチッとはまるような感じがした。
二人はどこか、俺に似ている気がした。
ここにいるということは、きっと普通の人間と違うのだろう。
この時の俺の年齢は18歳。
二人も同じ18歳だ。
そして二人と話す時間をもらい、自分のことを教えあった。
エリア。
男、身長175㎝、体重65㎏。
すらっとした体形で、筋肉も多少はついている。髪の毛は漆黒のように黒く、つやがある。
鼻が高く、人気アイドルのような顔たちだ。
とても話しやすくて、仲間のことを第一に考えている奴だ。
視力が異常に発達していて、最長十km先まで見渡すことができ、赤外線や紫外線などの電磁波も見ることができるらしい。
ホープ。
女、身長168cm、体重54㎏。
これまたすらっとした体形で、少し背が高めの女子、といった印象だ。
胸はないに等しく、正直太った男の胸の方が大きいかもしれない。
髪は茶色に染めていて、顔はふつうより少しかわいいかなくらいだ。
穏やかな性格かと思っていたがとてもさっぱりした俺の苦手な性格だ。
知能が異常に発達していて、悪魔と恐れられるほど頭がよかったノイマンをも凌ぐほどらしい。
そして、俺。
身長175㎝、体重63㎏。
エリアとほぼ似た体系だ。
これといった違いといえば、瞳の色くらいである。
燃え上がる炎のような、そんな色をした瞳だ。
さっき研究室の鏡を見て、俺を育ててくれたドラゴンの瞳の色に酷似していて腰を抜かした。
正直めちゃくちゃかっこいいと思う。
髪の色は赤っぽい黒で顔はふつうだと思う。
そして、圧倒的な力を持っている。
この前の実験で、軽く地面に蹴りを入れたら地面が割れ、大変なことになった。
だが、痛みは感じる。
普通の人間の何倍も頑丈らしいが、尖ったもので突かれたらやはり痛い。
俺達三人に共通すること、それは異常な能力を持っていること、そして、身元が不明で親族がいないことだった。
二人との自己紹介も終わり、研究室へ行った。
それから俺たちは人類存続のため成長を止められ、一つの使命を授かった。
そして、その使命とは…
「とりあえず、長生きしてくれ。」
これだけだった。
次からまた日常に戻ります。