二話 日常
「いやーよかったよかった。久しぶりにゆっくりできそうだわ」
俺は仰向けになり、目をつぶってお休みモードに入ろうとした。
ところが
パッチィィン!!
「ダメよ、エリアが帰ってくるまで外警戒してなきゃ」
と、かなり強めのビンタをくらう。
「いっっってえな!!わかってるから!マジで俺疲れてるんだからもっと優しく扱ってくれない!?」
と猛反発するが
「あら、私何かした?最近物忘れがひどくて…」
と、このありさまである。
「このやり取り何回目だよ…はぁ、もっとおしとやかで優しい子がよかったなぁ」
「聞こえてるわよ。痛みを受けることが生きがいのくせに生意気ね」
もうだめだ。こいつと二人でいたら気が狂っちまう。
それからしばらくして、エリアが帰ってきた。
かなりの食料だ。
肉に魚に木の実に水、これだけあればかるく一週間は生活できるだろう。
まあ食糧なんか口が寂しいから食べるだけで、実際は何も食べなくても不自由なく生活できるのだけど。
「ちーす、仲良くしてたか?」
「俺こいつと仲良くするとか無理だわ。まともに会話することさえできないのに…」
「私もどんな大金を積まれてもこいつと仲良くする気はないわ」
なんで俺こんなに嫌われてんだろ…さすがに悲しくなってきた。
「相変わらずだな。まあ、せっかくゾーンが見つかったことだし、ゆっくり休んでいこうぜ。リゲルは疲れてるんだからそこで寝てな。見張りは任せとけ」
「そうだな、お言葉に甘えさせてもらおう。おやすー」
こうして俺はエリアの善意に感謝しつつ目を閉じた。