特別車両・とある社員のワンシーン
夜。繁華街。
繁華街はきらびやかだ。
良いも悪いも入り交じり、様々なエネルギーが充満している。
そんな繁華街のちょっと裏に入った所。
繁華街のエネルギーから逃れるようにある場所。
そんなスポットにある薄暗いバーに二人はいた。
けれど、その二人からは繁華街に渦巻いているエネルギーとは違い穏やかだが、大きなエネルギーが出ていた。
『乾杯っ』
そう言って二人の男は軽くグラスを交わし、二人ともぐいっとカクテルを飲んだ。
そして、片方の男がタバコに火をつけた。
煙が薄明かりの中、ふんわりと立ちこめた。
そして、形を変えながら消えた。
そんな煙を見ながら
『人の一生みたいですね。暗闇の中生まれて色んな形になって、そして消えていく』
と、男が言った。
『そうですね。。。』
と、もう一人の男がうなずいた。
『分かってますよ。今日誘ってくださった理由は。異動、の話ですよね?』
それを聞いた男は、タバコをゆっくりと吸った後言った。
『はい。助けてください。あの事業部を。あそこはウチの未来がかかってます』
『未来が?』
『あそこはウチの社運をかけた事業部で、もしあそこが立ちゆかなくなればウチの未来は閉ざされます。そして、この業界の未来も。。。』
他社に無いツールを使った業界初の試み。
ツール内容共に素晴らしいだけでなく、これが広まれば多くの人々の役に立つ。
しかし、新しいモノ&金融商品の法律上の縛りが厳しく中々営業が上手くいかず、その事業部は城に例えるならばもう、陥落寸前まで陥っていた。
『。。。この事業が上手くいってウチらが儲かっても、金も業績も何もかも、僕ら自身が死ぬ時は僕らは何も持ってはいけません。けど、僕らが作ったモノと幸せをこの世に残す事は出来ます。』
『。。。❗』
『だから、○○さんに助けてほしいんです。今までよりさらに厳しい場所ですけど、僕らと未来を作る手伝いをしてください❗』
普段、冷静沈着な男にこんな熱い魂があった事に男は震えた。
そして決意した。
『分かりました。作りましょう❗仕事終わった後、女のケツ追っかける日々にはちと退屈してたとこですから』
『ホントですか?○○さん、退屈してるよーには見えませんでしたけど? w』
『確かに w。退屈ってのはいい過ぎでしたね w。女の子大好きですし。けど。。。』
『けど?』
『けど。。。その【未来】ってヤツ、メチャメチャいい女じゃないですか。振り向かせますよ。必ず』
『そーとー手強い女ですけどね w。○○さん、フラれ耐性あります?』
『それだけはありますよ。鍛えたくないのにどの筋肉よりも鍛えられちゃいましたから w。女は最高のトレーナーです w』
『じゃあ、もう一度乾杯しますか』
その乾杯の後、二人が吸ったタバコの紫煙の形は、どこか二人に微笑んでるような形をしていた。
挑戦的な笑みではあったが




