第6両・挟まるバック
朝、耳元で目覚ましが鳴る。
止める。
5分後にスヌーズが鳴る。
止める。
また5分後にスヌーズが鳴る。
止める。
何度も繰り返す。
ねむい。。。
が、もーそろそろギリギリだ。
後5分だけ。。。したら間に合わなーい❗
起きるか❗
起きたらまずはトイレ行った後サプリ飲んで、その後筋トレ。
で、シャワー浴びてからプロテイン。
この時間が無ければギリギリにならないだろうが、これがなきゃ始まらない。
で、シャワー浴びて風呂から出ると、うん。
ドライヤーの時間は微妙だ。
まあいい。
どーせヘアスタイルは乱れる。
多少乱れたまま歩いて駅まで行くか、整えた後、駅まで走って乱れるか。
それだけの違い。
ゴールは一緒だ。
けどやっぱり整えちゃう。
今日は、いや、今日こそはなんとなく、走っても乱れない。
と、勝手に思ってる。
毎日。
こう、頭をあまり揺らさずに走れば・・・
しかし、本当に早いよね。朝は。
と、思いながら
家を飛び出て
走る
走る
走る
ちょっと歩く
早歩き
走る
走る
駅が見えた。
外からホームの状況が見える駅。
池袋行きの電車が来た。
が、そいつは各駅。
本命はこいつの後にくる急行❗
しかし、各駅が着てからほんの数分で本命が来る。
つまり、もうギリギリ。
ホームに続く階段を駆け上がる。
辛い。が、止まれない。
駆け上がるしかない❗
走る
バックから財布を出しながら
走る
ただ、人にはぶつからないように気をつけて走る
改札はワンタッチ❗
の、ハズが
ピンポーン
ミスったーーー
押し直す
このロス
痛い
が諦めない
改札入ったら、また階段を下ってホームに。
本命がもう来ている
そして、俺を置いて出発しようとしてる❗
駆け降りる❗
流星のように❗
閉まりかけるドア
たまらずバックを挟む❗
バックはジュラルミン製
カッチカチのバック
今までの電車なら、そのバックを挟んだ事によりドアは開き、電車に乗れてたろう。
みんなに多大な迷惑をかけながら
しかし
バックを挟んだそのドアは、そのバックを真っ二つに両断した❗
無論、中に入っていたパソコンも真っ二つ❗
小林トレインのドアにはダイヤモンドカッターがついていて、バックなんぞ一撃で一刀両断なのだ。
なんて事を?
いや。忘れていたこの男が悪いのだ。
この男が乗ろうとしていた電車は
【何があっても遅延なし❗】
【小林トレイン】だという事を❗
真っ二つに切断されたバック
何事もなかったように、時刻通りに出発する電車。
男は思った。
もし挟んだのがバックじゃなくて、腕だったら・・・
どんな目覚ましよりも強烈な刺激が脳天を貫いた。
ヘアスタイルは・・・いいや
じゃなくて、一本早く乗ろう。と
ノートパソコンはまた買えばいい。
腕と指があれば、また、打てるさ。。。
運転手の福家は、そう、呟いた




