第15両・圧倒的な力の差
怒りは人の理性を狂わせる。
その狂った理性を元に戻すには、そう。
それは。。。
ホームで二人の男がケンカしている。
周りの客は見ないふりをしてる。
止められないし、恐いし。
けど、永井はプロだ。
凄いのだ。この男は。
『お客様』
普通、駅員がこう声をかけてもケンカしてる奴らは止まらない。
が、しかし永井はケンカしてる奴らの間に強引に入り込み、まず、なんと
『こんにちは。永井と申します』
と、挨拶しちゃう。
これは本当に調子狂う。
だって、ケンカしてる最中にいきなり知らない奴が現れて挨拶されたらね。もう。。。w
とりあえずこれで一瞬止まる。
そして、一瞬止まってしまえば、もう永井のペース
言ってる言葉は他の奴らと変わらないのに、なぜか永井の言葉は刺さるのだ。
人の心に。
彼の言葉を聞いてしまったら、なぜか気持ちが落ち着いていく。
分からないが、そーゆーものなのだ。
これぞ
【ザ・永井マジック】
『やめるべきですー』
『あなたなら今すぐ落ち着けます』
なんか、こういう言葉を永井が言うと、本当に気持ちが落ち着いちゃうのだ。
が、しかし、中にはマジックが効かない奴らもいる。
そんな時はどーするのか?
簡単。
そんな時は。。。
そう。
二人とも線路に落としちゃいます。
二人とも必死にホームに上がろうとするが、そうはさせない。
永井を怒らせると洒落にならない。
口調は穏やかだが、やってる事は鬼神の如し。
『ふざけるな❗上げろ❗』
そう怒鳴る客の顔を蹴り飛ばし、再び線路に叩き落とす。
列車の近づく音が聞こえてくる。
線路にいる二人には死神の足音に等しい。
泣きながらホームに上がろうとする二人。
それを微笑みながら蹴り落とす永井。
列車は近づいてくる。
そんな中、永井は二人に言う。
『もう、ホームで暴れませんか?暴れないと約束するなら、ホームに上げてあげます』
『約束します❗暴れません❗絶対に❗』
あれだけケンカしてた二人が声を揃えて叫んだ。
その瞬間、永井は二人を造作もなくホームに軽く引き上げた。
その直後
ゴーーーーーーーーーーー
っという音と共に、列車が駅に着いた。
彼らの真後ろに。
泣きじゃくる二人に永井は言う。
『二人とも、そこをどいてください。そこは車両の入口です。何があっても決して止まらない、小林トレインの❗』
それを聞くと二人は泣きながら走り去った。
けど、二人に同情は微塵も出来ない。
なぜなら、忘れていた二人が悪いからだ。
彼らの暴力なんて、小林トレインの圧倒的力の前では無力に等しい事を。。。
だから、小林トレインのホームで暴れる奴らは滅多にいない。
にしても、何で永井はあんなに強いのかって?
小林トレインの駅員を舐めたらいけない。
彼らは。。。
まあ、それは、また、別の話
『仲直りして欲しかっただけのに、伝え方って難しいですね。。。』
走り去る二人を見て、永井はそう、呟いた




