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小林トレイン【コバトレ】  作者: ジュン・ガリアーノ
13/19

第12両・粋な茂田とクズ野郎

水口はへたりこんだまま、ずっと動けなかった。

そして、ナナの血まみれのペンダントを見ていると、水口がこの仕事に就く前の記憶まで辿り着いてしまった。

水口がこの仕事に就く事になった、とある出来事。。。

水口はそれを思い呟いた。


『俺はまた。。。大切な人を』


そう言ってうなだれている水口の肩に茂田はそっと手を乗せて


『水口。お前が悪いんじゃない。お前は出来る事をちゃんと全力でやったろ?今日も、あの。。。時も、さ』


『シゲさん。。。俺は。。。』


水口の頬を涙が流れる。

全力でやったのに届かない。

あの時から頑張って強くなって生きてきたと思ってたのに。

二度とあんな事をさせないと誓って生きてきたのに。

あの時も、今も、大切な人を守れなかった。



そうしている中、駅員室の扉が開いて、若い男が入ってきた。

そして唐突に


『あのー掲示板見てきたんすけど』


と、言って水口達に話しかけた。

うなだれている水口の代わりに茂田が対応しようとすると、なんと、水口は立ち上がり


『シゲさん。ここは、この件は俺がやります』


と、答えた。

そしてその若者は水口に


『つーか、あの映ってんのナナのっすよね?』


と、言った。


水口はまさかと思い話した


『えーっと、君は?この方の彼氏さん?』


『いや、そーゆー訳じゃないっていうか、とりあえず知り合いなんすけど、ナナで間違いないっすか?』


『そうだね。確認中だけどほぼ間違いないです。。。』


水口がそう言うと、男は


『そーっすか。分かりましたっ』


と、言うとスマホを取りだし話始めた。


『あっ、もしもーし、俺だけど。おお。ナナのヤツ、マジで飛び込みやがったみたいだぜ。いや、マジだって w

今駅員に確認したから。そうそう。だから俺の勝ち。なっ?だから言っただろ。後で金払えよ。ん?だー、分かったって。後で飯ぐれー奢ってやっから w

あん、じゃ、後で w』


水口は込み上げる怒りを抑えながら、その若者に尋いた


『今のは?どういう、事、ですか?』


その水口に対し悪びれる素振りもなく


『ああ。いや、かけてたんすよ。アイツ俺に惚れてたんで、色々言ったらどーなるかって。で、もし自殺したら俺の勝ち。みたいな。あっ、暴力とかは使わずに、上手く出来たらオッケーって事で。いやー、アイツ真面目でウザかったし、これで金も入って一石二鳥っすわ w しかし、あいつ電車に飛び込むとか、マジでウケるわー www』


と、笑いながら言った。

水口は怒りに震えた。

これまで感じた事の無い怒りに。

しかし、小林トレインの駅員は絶対に暴力をふるってはいけない。

そしたらすぐに懲戒解雇。

それに、そんな事があればアンチ小林トレインの絶好の餌食。


その時だった。その若者が言った。


『あのさ、あのメガネの人、何してんの?』


と。

茂田の事だ。

そして茂田は言った。

監視カメラを叩き割りながら


『水口ー。カメラ壊れちゃった』


そしてメガネを外し、床に捨て踏み潰して言った。


『水口ー。メガネ落として壊しちゃったー。水口そこにいる?俺さー、メガネ無いとマジでよく見えないんだよー。だからさー、ちゃんとお客様には丁寧に対応するんだよー。お前がちゃんとしてなくても俺見えないしー、監視カメラも壊れてるから後で確認も出来ないから、暴れちゃダメだよー。いいなー、水口ー』


『シゲさん。。。』


焦る若者。


『お、お前、お前らなんなんだよ?❗何すんだよ?❗おい、来んなよ❗おい❗』


若者は威嚇するが今の水口の放つオーラにはたじろぐ事しか出来ない。


『何する?あ?それはこっちの台詞だ。暴力は使わない?テメーの吐いた言葉がナナの気持ちをどれだけ傷つけたのか分からねーのか?あの血まみれのペンダントを見て貴様は何も感じねーのか❗バカヤロウ❗』


そう言って水口はその若者の顔を殴り付けた❗

若者はぶっ飛んだ。

が、立ち上がり


『なんなんだよ?❗アンタは❗言いふらしてやるからな❗マスコミに駆け込んでやる❗そーすればお前らも小林トレインも終わりだ❗ざまーみろ』


と叫んだ。

しかし水口はそいつの胸ぐらを掴み言い放った


『やれるもんならやってみろ。確かに俺は懲戒解雇だろーし、小林トレインも賠償金や世間からの圧力でマズイかもしれない。けどな。そーなれば俺は晴れて自由の身だ。そしたらどんな手を使ってもお前を抱いて線路に飛び込んでやる❗必ずだ❗貴様には死だけの安息しか無くなるぞ。それでもいいならやれ❗クズヤローが❗❗❗』


若者は恐怖で震えて動けない。

水口はその若者に


『さっさと行けよ。そして二度とこの駅使うな。じゃないと本当に貴様をこの場で殺してしまいそうだ』


そう言った。


そして、そう言われた若者は這うように立ち上がりながら駅員室のドアを空けた。


その瞬間、



ピシャっ❗



と、その若者は頬をぶたれた。


ぶったのは。。。





なんと、そこには






あの、ナナがいた

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