神下くんと桐ヶ谷くん
※BLが苦手な方は「さようなら」して下さい
キーンコーンカーンコーン
「神下!帰ろっ」
笑顔で手を振るのは、桐ヶ谷冬篤。
俺の幼馴染み。
「あぁ、待ってろ」
俺は素っ気なく返事をすると嫌がらせの様にゆっくりと帰る支度を始めた。
「神下.....遅い!」
案の定、冬篤はイライラしてる。可笑しい。
「待ちたくなきゃ帰ってればいいだろ」
態と冷たく言い放つと、冬篤は顔を赤くさせ「ま、待つよ!」と言ってきたので、俺は「好きにしてろ」と笑いながら言ってしまった。
冬篤は、グチグチ文句を言いながら俺の事を待っている。可愛い奴だな。
「神下裕一っ!ま、だ、か!」
スタッカートを効かせて叫ぶ。うるさかったので苛めるのはこの辺で止めた。
「ん、帰るよ?」
顔を輝かせ、俺の後について来る。
「なぁ、神下。お前は彼女とか作らないの?」
「作らない」
「何でだよー。お前モテるのに」
「モテたくてモテてる訳じゃない」
「嫌味かぁ?」
「そうかもな」
俺たちは他愛もない話をしながらそれぞれの家に向かっていた。
「あ、あのっ!!」
冬篤にしたら高い声だったので誰だ、と思い振り返ると一人の女の子が立っていた
「何?何か用?」
俺がそう問うと、
「好きです!」
彼女は一言言うと、更に続けて
「これ受け取って下さい!」
と、いかにもラブレターという感じのピンクの手紙を俺に差し出してきた。
「迷惑なら、破り捨てても構いません!」
そう言われたので、
俺は、ピンクの手紙を受け取ると
ビリリ_______。
「え?」女の子は不思議そうな顔で俺を見る
「迷惑だったから、破り捨てた」
俺は満面の笑みで答えた
俺、神下裕一はそういう奴だった。