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ロゼリス・アーバートン嬢は今日も忙しい!

なにせ、推しカプの尊い恋を成立させるために奔走しているのだから!


昼休み。中庭のベンチで、ルチアとシルビアが偶然隣り合うよう、

“うっかり”忘れ物を届けに行くふりをして席を空けるロゼリス。


「うふふふふ……あとは自然な流れで、シルビア殿下が『君の瞳は光の魔法のようだね』って褒めれば完璧ですわ! これで恋愛フラグ進行率、+15%!」


にこにこと手帳に何かを書き込む。

(※ルチアとシルビアの会話内容を逐一メモするオタクムーブ中)


その姿を遠くから見つめる一人の男――アーロン


(……あいつ、またあの男と一緒にいる)


青筋がぴくりと動く。

“あの男”とはシルビア殿下――自分の兄である。


(俺の前では素っ気ないくせに、あいつにだけ笑って……。

まるで、恋してるみたいじゃねぇか)


アーロンの胸の奥がざらつく。

婚約破棄を言い出したあの日以来、どうにもロゼリスのことが気になって仕方がない。

“興味がない”と宣言されたその瞬間から、逆に視線を追ってしまう。


そんな彼の前で、ロゼリスは満面の笑みでルチアとシルビアを見守っていた。


「はぁ〜〜〜……今の、手が触れましたわよね!? 触れましたわよね!?!?

尊っっっっっっっ!!!」


思わず声が漏れる。

周囲の生徒たちは「またアーバートン嬢が何か叫んでる」と距離を取った。


(あの笑顔……。あんな顔、俺には見せたことねぇのに)


アーロンの胸の奥に、重い何かが沈む。

それが嫉妬だとは、まだ気づいていない。


「……あいつ、絶対、他の男に熱を上げてる」


低く呟き、拳を握る。

その表情は、まるで戦場に赴く騎士のように真剣だった。


「――絶対、他の男に取らせねぇ。」


(※方向を盛大に間違えている)


一方そのころ。


「ふふふ……ついに! 推しの恋路が進展しましたわ〜!!

尊いっっっっ!! 神様ありがとうございますっ!!!」


両手を胸の前でぎゅっと組み、

空に向かって叫ぶロゼリス。


鼻血をこらえながら、

推しの恋を全力で祝福する彼女の姿に――アーロンは更に誤解を深めていくのだった。

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