学院がロゼアロに沸いた日
婚約復活の宣言をした翌週。
王立学院は、ある意味お祭り騒ぎだった。
というのも、アーロンとロゼリス、あまりに仲が良すぎたのだ。
◆
「アーロン様、そんなに手を離さないと歩きにくいですわ……!」
「嫌だ。離したら他の男が見るだろ」
「歩いているだけですのに!?」
学院の廊下、登校中の生徒たちは、堂々と手を繋ぐ(いや、正確にはアーロンが握りしめて離さない)二人を恋愛ドラマのように見送っていた。
「今日も尊い……っ!」
「ロゼアロ……まじで王道……!」
「アーロン殿下、愛の重さが限界突破してる……!」
ひそひそどころか堂々と聞こえる声に、ロゼリスは耳まで真っ赤になる。
「ア、アーロン様!!注目されてますわ!!」
「気にするな。俺の婚約者なんだから誇っていい」
(む、無理ですわ~~~~!!!)
ロゼリスは頭を抱えた。
しかしアーロンは気にも留めず、
やや堂々と、ややわざとらしく
ロゼリスの腰に軽く手を添えて歩き出す。
廊下中から黄色い悲鳴が上がった。
◆
実は、ロゼリスは知らなかった。
学院生の間で、
「ロゼアロ応援隊」
という謎の同盟が密かに発足していたことを。
発起人は、生徒会の一部女子+騎士科男子の有志。
なぜか魔法科や一般科にまで広がり、
気づけば小規模な団体に成長していた。
毎朝、隊員たちは言う。
「今日もロゼアロ尊い報告よろしくお願いします」
「アーロン殿下の溺愛ぶり観測できたら共有して」
「ロゼリス様が可愛く照れた瞬間、誰かメモを!」
……などなど、完全に趣味の集団であった。
◆
そんなことをロゼリスが知る由もなく
「ロゼリス、次は講義だろ?一緒に行く」
「こ、講義は別科目ですから……!アーロン様も公務に戻らないと……!」
「ロゼリスが可愛くて集中できないから無理だ」
「そんな理由で公務をサボらないでくださいませ!!」
(……これでは学院で噂になるはずですわ……!!)
ロゼリスが赤面しながらも叱ると、
アーロンはふっと笑って、耳元で囁く。
「噂になってもいい。
むしろ、俺の婚約者が誰なのか、はっきり見せつけたい」
「~~~~~~っ!!!」
ロゼリスの悲鳴が廊下に響き、
その日も学院のどこかで、ロゼアロ応援隊の拍手が上がった。
「今日も最&高でしたわ~~!!」
「アーロン殿下の独占欲、100点!」
「尊さで気絶しそう!!」
学院は、すっかりロゼアロ一色に染まりはじめていた。
読んでいただき、ありがとうございました!この話で最終回となります!
次話からは番外編となります。




