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誓い直す愛

誕生日パーティーが終わりに差しかかり、会場が静まり返る。

壇上に向かうアーロンは、そっとロゼリスの手を取り、優しく導いた。


二人がパーティー会場の中心に立つと、王族や貴族たちの視線が一斉に注がれる。

アーロンはロゼリスの手を離さず、そのまま堂々と前に一歩進み出た。


「今宵は俺のために、このような素晴らしい会を開いてくださり……心から感謝します。」


低く響く声に、しんと静まる空気。

そしてアーロンはロゼリスの手をぎゅっと握り、続けた。


「この場を借りて……皆様にご報告があります。」


その瞬間、ざわめきが生まれる。

ロゼリスは緊張で胸が跳ねた。


「アーロン・ジークスはロゼリス・アーバートン令嬢と婚約が復活したことをご報告します。」


会場中が一瞬にして息を呑む。


アーロンはまっすぐロゼリスに微笑みかけながら言葉を続ける。


「元々婚約者同士だった俺達ですが……紆余曲折を経て、お互いに欠かせない存在になりました。

皆様にはご心配をおかけしたこともあった。しかし……」


ロゼリスの手を取るアーロンの指先が、そっと震えている。


「もう俺にはロゼリス以外、愛せません。

これからも婚約者として、彼女だけを愛していく所存です。

どうか俺たちを温かく見守っていただければ幸いです。」


拍手が徐々に広がり始め、やがて会場全体を包む。


だがアーロンの動きはまだ終わらなかった。

彼はロゼリスの前で静かに跪いた。

ロゼリスの胸が高鳴る。

周囲のざわめきが遠くに消え、アーロンの金の瞳だけが映る。


「ロゼリス。」


彼は小箱を開く。

ルビーとパールが美しく組まれた婚約指輪が、光を受けてきらりと輝く。


「もう一度、俺に……お前とやり直す機会がほしい。」


息が詰まるほど真摯で、切実な声。


「もう二度と、お前を傷つけない。手を離さない。

俺の全てをかけて、お前を守り抜くと誓う。」


アーロンは手を差し伸べた。


「だから……もう一度、お前を迎えに行ってもいいか?」


ロゼリスの目に、じわっと涙が滲んだ。


「っ……もち、もちろんですわ……。

迎えに……来てくださり……ありがとうございます……」


震える声でそう告げると、ロゼリスはそっとアーロンの指に指輪を通した。


その瞬間、アーロンがゆっくりと立ち上がり、二人は吸い寄せられるように唇を重ねた。

柔らかく、深く、確かめ合うように。


会場は大きな拍手と祝福で満たされる。

その中で、二人は額を合わせ、静かに笑い合った。


「……絶対に幸せにするから。」


アーロンがロゼリスの耳元で囁く。


「もう俺のそばからいなくなるなよ?」


耳元に落ちる甘い声に、ロゼリスは真っ赤になり、口をぱくぱくさせるしかなかった。


(アーロン様……かっこよすぎますわ……っ)


幸せを胸いっぱいに感じながら、ロゼリスは震える手でアーロンの手を握り返した。


こうして、二人の婚約は堂々と、華やかに復活したのであった。

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