表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

27/69

もふもふ同居!?ロゼリスと子犬アーロン、秘密の夜!

可愛すぎる。

目の前の光景に、ロゼリスは胸を押さえた。


「こ、これがアーロン殿下……? 信じられませんわ……(失礼)」


腕の中の金色の子犬は、くぅん、と小さく鳴いてロゼリスを見上げている。

紅い瞳がきらきらと輝き、ふわふわの尻尾をぱたぱたと揺らす。


「ひゃぁぁぁ……っ、可愛いですわっ! 世界の尊さを凝縮したような存在ですわ!!」


そっと指先で金色の毛を撫でると、子犬――アーロン殿下は気持ちよさそうに目を細め、「わふ」と一声鳴いた。

その姿にロゼリスの理性がどこか遠くに吹き飛ぶ。


(もう……だめですわ……尊い。殿下というより、天使ですわ……!)


◇◇◇


アーバートン邸に戻ると、玄関で出迎えた執事キースが、腕の中の子犬を一瞥した。


「……その犬は?」


「お、お友達の家のワンちゃんを、ちょっとお預かりしているのですわ!」


「……(察した)……畏まりました、お嬢様」


 キースはそれ以上何も聞かず、深い溜息をついて去っていった。

(さすがキース、空気が読める男ですわ!)


◇◇◇


ロゼリスの部屋。

ベッドの上に並んで座るのは、ナイトドレス姿のロゼリスと、金色のもふもふ。


「アーロン殿下……ごめんなさい。まさか貴方まで魔法をかけてしまうなんて……」

そう言いながら、そっとその小さな頭を撫でる。

「でも大丈夫ですわ。私が責任を持ってお世話いたしますからね!」


子犬アーロンは、まるで言葉が分かるかのようにロゼリスの指をぺろりと舐めた。


「っ!? い、今……舐めました!? 可愛すぎますわぁぁぁ!!」


ロゼリスはベッドの上で転げ回りながら、子犬を抱きしめた。

そのまま頬ずり、頭なでなで、もふもふ堪能タイム。

もはや殿下への敬意も忘れ、ただひたすらに愛でるのみ。


(ああ……もふもふの神様……今夜は一生分の幸福をありがとうございます……)


◇◇◇


夜。

ロゼリスは柔らかなシルクのナイトドレスに着替え、ベッドの上で穏やかな寝息を立てていた。

その横で、子犬アーロンが体を丸め、尻尾を鼻先にくるりと巻きつけて眠っている。


しかし。


月明かりが差し込む中、子犬の体が淡く光り出した。

毛並みが光に溶け、骨格が人のものへと変わっていく。

数秒後、そこにいたのは素肌に月光を浴びる青年の姿だった。


アーロンは一瞬、頭を押さえながら目を開ける。

「……っ、戻ったのか……?」


視線を横に向けると、無防備に眠るロゼリス。

胸元まで落ちた髪が枕を覆い、薄いナイトドレスの肩口から覗く白い肌が月に照らされていた。


アーロンは息を呑んだ。

心臓が跳ねる。


「……まさか、俺……ロゼリスの部屋で寝てたのか?」


冷静になろうとするが、思い出すのは自分が“犬”としてロゼリスの腕に抱かれていた時間。

頭を撫でられ、抱きしめられ、頬を擦り寄せられ……。


あの柔らかさも、声も、全部覚えている。


「……バカ、俺、何してんだ……」

顔を覆って赤くなるアーロン。


すると、ロゼリスが小さく寝返りを打ち、彼の方へ身を寄せてきた。

無意識のまま、彼の胸元に手を伸ばし、ぎゅっと抱きしめる。


「……もふもふ……逃げちゃ、いやですわ……」


「!?!?!?」


アーロンの理性が吹っ飛びそうになる。

けれど、寝顔を見つめた瞬間、ふっと微笑んだ。


「……全く……お前は本当に……油断ならねぇ」


小さく息を吐き、アーロンは彼女の頭をそっと撫でた。

「……ありがとな、ロゼリス。助けてくれて」


ロゼリスは夢の中で、嬉しそうに微笑む。


「……もふもふ……だいすき……」


その寝言に、アーロンの心臓は限界突破した。


「っ……!!」


顔を真っ赤にしながらも、アーロンは彼女の隣で静かに横になり、瞳を閉じた。

月光の中、二人の距離はほんのわずかに縮まっていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ