一話
お父さんが言ったんだ。
これは涼宮家の次期当主が代々受ける儀式なんだって。天使の力を授かるために、必要なことなんだって。
だから私、頑張ろうって。
九日間続く儀式を無事に終えたら、天使様が私に加護を下さるからって。絶対に成功させるんだって思って。
「はぁ、、、はぁ、、、うぅ〜」
ここに閉じ込められた時は、怖くて、パニックになって、お母さん助けてってずっと泣いていたけど、泣く体力もなくなったら、少し落ち着いた。
寒くて眠くて、お腹が空いても頑張ろうって。
我慢出来なくて、時々唸り声が出ちゃうこともあったけど、、、カラカラになった喉の粘膜同士くっついて呼吸がしにく時もあったけど、お水が飲みたくて、目の前がチカチカするこもあったけど、私がやるんだって。
「はー、、、」
殆ど力が入らなくて、爪で床の模様を少し引っ掻いた。床に書かれている不思議な模様の魔法陣は、天使様を降ろす時の為の魔法陣だよって、お母さんが言っていた。
天使様と仲良くなる為には、『死』に近付くことが必要らしい。
そうしないと天使様は来てくれないんだって。
(それじゃあ天使様って、今にも死にそうな人が好きってことなのかなー、、、)
天使様は天使なのに、死にそうな人が好きって何だか変。
私の中のイメージは『困った人を助けてくれる』だったから。
(もしかしたら苦しんでいる私を助けてくれるから、それで仲良くなって、、、えーっと、、、)
頭がぐちゃぐちゃになってきた。
何とか眠らないように頑張ったけど、意識が途切れ途切れになる。
体が勝手に私を休ませようとする。ダメ、それだけはダメなんだ。
この暗い座敷牢に、唯一光が入ってくる窓の向こう。綺麗な星空が広がっていた。
私が生まれ育った涼宮家は、『天使様に守られてる』んだって。
霊感のある子供がよく生まれて、その子達霊視とか占いとかが得意で、超能力が使えて、、、
「、、、人を助けるのが、、、お仕事」
お父さんが言っていた通り、私には超能力があった。幽霊とか妖怪が見えたり、自分が望めば会話することもあった。
そろそろ本当に限界なのかも、、、。
「貴様が次の宿主か」
その時、誰かの声が頭の中で響いたんだ。