第1章 キャラ紹介
・キリア・カラレス→ミスト・クリアランス(16)
黒髪ショートヘアに黒い革系の服を身に纏った少女。本作の主人公兼メインヒロイン。体内に魔力を生成する見えない器官が存在しない魔力不全者と呼ばれる人間だが、自然の魔力を動力とする魔道具を作れる「魔法を作る技術師」、魔術師である。
人類統一国の国防の一翼を担う統一軍の前線部隊に所属していたが、将軍の勝手な嫉妬により濡れ衣を着せられ投獄。脱獄はできたがその時点で今まで積もりに積もった怒りが静かに爆発、統一軍を見捨て前線から逃げた。
その後は自分の名前をミストに変え、グランゼフ冒険者ギルドに所属。1年間でギルドのエースにまで上り詰める。
勇者として覚醒し、再び王都に戻ることになった。
元々は青色の長髪であったが、これは染めていただけ。潜伏と共に本来の黒髪に戻し、髪の毛もショートヘアにした。
《ミストの使用魔道具》
反魔宝球:『失敗傑作』の一つ。魔法の効果を消す赤い霧を生み出す、ローレライの変異種の吐息と蒸発させた体液の煙を混ぜ合わせて封じ込めたピンポン玉サイズの宝玉型魔道具。効果は極めて絶大だが材料の再入手が絶望的であることが原因で失敗作の烙印を押されている。
隠し針:『成功作』の一つ。ピアスとして偽装している魔導具。主に投げて使用し自分が狙った場所に寸分違わず刺すことができる。
マナナイフ:『成功作』の一つ。将校のナイフの刀身に直接ルーン文字を刻みソードエンチャントを使えるようにした魔導具。急ごしらえで作ったがかなりの切れ味であり人間は抵抗なく切断することができる。なお柄や鍔に豪華な装飾がなされていたが、ミストはこれを不要と考えすべて撤去し樹脂製の簡素な柄に変更している(装飾の残骸は旅の行商人に二束三文で売り払った)
ヒドゥンエッジ:『成功傑作』の一つ。ジャマダハル型の片手剣。刀身が伸縮自在で極めて靭性も高く、かつお世辞にも設備が整っていないグランゼフ冒険者ギルドの宿舎でも問題なく作ることができる、費用対効果抜群の逸品。ミスト的には過去最高クラスの傑作としてかなり気に入っている。
サイコプレート:『成功傑作』の一つ。過去の失敗傑作から着想を得たことで生まれた盾型魔導具。4枚を連結すればオーガの攻撃にも耐えられる大楯にもなるし、内蔵している念動魔法発生装置を使えばヒドゥンエッジの持ち主の指示に合わせて遠隔浮遊移動させることができる。完全に使うにはそれなりの修練はいるがそれでも費用対効果を考えればこれもミストの中ではヒドゥンエッジ同様、最高クラスの傑作として気に入っている
・グランゼフ・クリアランス(45)
金髪に浅黒い褐色肌の大男で統一国の東北部にあるグランゼフ冒険者ギルドのギルドマスター。
ギルメンからは冒険者としては尊敬されているが、アルハラセクハラが当たり前なところもあるため舐められたり冷たい対応を取られることもしばしばある。
ミストのが戦犯キリア・カラレスであることは知っていたが、それでもなお彼女の強さと心の奥にある信念を見て快く歓迎した。
ちなみにミストの家名は彼から与えられたもので、設定としてはグランゼフの弟の忘れ形見という扱いになっている。(ちなみにグランゼフは昔盗賊に村を焼かれたため天涯孤独)
・ライシャ・フルナンス(17)
グランゼフ冒険者ギルドの受付嬢。
優しい性格で冒険者たちから人気だが、グランゼフには割と辛辣な態度をとることが多い。
ミストとはそれなりに仲が良く、昔はよく近くの街に繰り出すこともあった。
・ヴォルフ・カラレス(66)
白髪をオールバックでまとめた厳し気な顔立ちが特徴の初老男性
50年前に現れた魔王を倒した先代勇者にして、階級関係なく実力と意志さえあれば誰でも入隊可能な統一軍、魔術を公式に研究できる魔術省を創設した偉人でもある。
元々は総帥と呼ばれていたが、とある魔導具を発明した後は、提督と呼ばれるようになった。
軍から出奔した自分の孫、キリアが勇者候補に選ばれ、その居場所も特定することができたためサファイヤと共に迎えに行った。
・サファイヤ・マリンハート(19)
王都から離れたい西方の土地を取り仕切っている侯爵家出身の水色の長髪が特徴の巨乳美人。
元々はミストが所属していた前線部隊にて将校の秘書官兼医療班として活動していた。現在はヴォルフの秘書官として活動している。
・カストロ・ブラウン(36)
元騎士団出身の中年将校。本人は移動であると主張しているが、事実上左遷である。
魔法の腕自体はあるが、相当に無能な人物であり自身が指揮していた前線部隊が半壊し、魔族との戦争で大きく差をつけてしまった主原因とも呼べる人物。しかしその責任は全てミストに押し付けた。
彼自身はある魔族に付けられたダメージのせいで王都に到着して1週間後に死亡した。