1/2
序
あっさりと死んでしまった主人公。目が覚めるとそこには曇りきった灰色の空と、どす黒い煙だった。どうやらいわゆる「転移」という現象に遭ったらしく、異世界での俺強を期待していたが、現実は甘くなかった。
突然だが、俺は死んだ。
死因としては、溺死だ。日々の仕事による疲れが
溜まって風呂の浴槽内で寝てしまい、そのままポックリだ。
我ながら案外あっさりと死んでしまった。
そして、そのまま冥界でも行くのかと思っていたが、目が覚めるとそこには曇りきった灰色の空と、どす黒い煙だった。
明らかに元いた世界と違う、なんだか気の重い雰囲気だった。
ふと自分の身体を見ると、華奢な手がそこにあり、元いた世界の自分の年齢とは似つかわしくなかった。
自分の変化に驚きつつ、周りの建物を見てみると、そこには見たことのない作りの建物が並んでいる。
ようやく、自分の状況を理解した。
異世界転移だ。