↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
怒涛のソロ活(末っ子4)  作者: 夏目 碧央


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

17/22

お怒り?

 それからも、毎日歌の練習とダンスの練習を重ねた。俺のアメリカ行きの日が2日後に迫った日の夜、テツヤ兄さんがパリから帰って来た。

(レイジ、家にいるか?)

テツヤ兄さんからメッセージが来た。そろそろ空港に到着した頃だろうか。

(いるよ)

そう返すと、

(今から行く)

と来た。

(え?荷物を持ったままで?)

と返したら、

(もう着く)

と、いつにも増してシンプルな返事。って、もう着く?

「ピンポーン!」

来た!玄関を開けると、サングラスをかけ、スーツケースを持ったテツヤ兄さんがいた。そして、すぐにぐいぐいと入って来る。どうしたんだ?トイレにでも行きたいのか?

 いや、違うらしい。サングラスを取ったテツヤ兄さんは、ちょっと、いやかなり、鋭い目で俺を見ている。

「あ、迎えに行けなくてごめん。洗濯物が溜まっててさ。今2回目回してるところで。」

何しろ、明後日海外に飛び立つのに、持っていく下着などがちゃんと乾いていないと困るから。

 だが、テツヤ兄さんは何も言わない。俺をにらみつけている。カッコいいけど、迫力があってちょっと怖い。俺、何か悪い事したのかな。

「あの、テツヤ兄さん、どうしたの?」

テツヤ兄さんは何も言わずにこちらへ歩いて来て、そのままダン!と壁ドンされた。

「お前、俺がいない間に何浮気してんだよ。」

すごまれる。

「え?何?浮気?そんな事、してないよ。するわけないじゃん!」

慌てる。

「夜中にここで、イチャイチャしてただろ。」

すぐ横のテーブルを指さすテツヤ兄さん。でも、目は俺の目を見据えたままだ。

「イチャイチャ?そんなの、してないよ。一体誰の事を言ってんの?」

必死に言い返す俺。テツヤ兄さんは何を怒ってるんだろう。うちに誰か来たんだっけ?そうだ、ミツルが来たな。

「ミツルの事?ミツルが飲もうって言ってうちに来たけど、イチャイチャなんて、してないよ?当たり前じゃん。」

「してただろ。見たぞ、ライブ放送で。」

ん?ああ、あの放送か。深夜の。酔っぱらっての……何かしたっけ?俺が首をかしげていると、

「あいつが、お前の肩に頭を乗っけてただろ!」

テツヤ兄さんが言った。そうだっけ?

「あいつ、前にも同じ事してただろ。いや違う、前はお前があいつの肩に頭を乗っけてた!」

「前って、なんのこと?」

「インスタに載せた写真だよ!」

アカウントを削除する前、確かに一枚ミツルとの写真を載せたような気がする。……っていうか、これって嫉妬だよな?テツヤ兄さんが、ミツルに嫉妬してるんだよな。

「もしかして、妬いてくれてんの?」

俺、思わず頬が緩む。怒られてるのに、にらまれてるのに、ニヤけるのを止められない。

「おまっ、何を笑ってるんだよ。」

と言いながら、テツヤ兄さんもちょっと笑ってしまっている。俺がニヤニヤして見ていると、

「嫉妬して悪いか!」

笑いながら、テツヤ兄さんが言った。俺は思わず、テツヤ兄さんを抱きしめた。

「分かってるでしょ?ミツルはただの友達だよ。ん?いや待てよ。あいつ何しに来たんだっけ。そうだ、テツヤ兄さんがどこにいるかって聞いてたんだよな。そうだよ、むしろ俺じゃなくてテツヤ兄さんに気があるんじゃないか、あいつ?」

でも、今はそんな事はどうでもいい。テツヤ兄さんが俺にキスをしてきて、話は終わり。会えない間の空白を埋めるように、俺たちはしばらく情熱的なキスを続けたのだった。嫉妬は愛のスパイス、だな。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。