第86話 いつか空も飛べるかも
次の日健太と一緒にプレハブから地下へとおり、タッチパネルの前で昨日のババントの羽のことを話してみた。
「浮遊か…それもさらに『合成』出来るのかな?」
「まだ試してないんだよね。一度何かに付けてみてからでもいいかなーと」
「試すなら使い道がなくなったものでもいいよな…このぼろぼろになったマントとか」
健太がリュックから取り出したのは1階層の宝箱から出て使えないほどぼろぼろになった赤いマントだった。もう1つのマントも大分ぼろぼろなのだがまだ健太は装備している。これは4階層では何も効果がないようだった。効果があってゴブリンとかに追い回されてもたまらないからそのほうがいいんだけどな。
「マントか…」
俺はためしに『合成』で浮遊を付けてみる事にした。まあつけても見た目に変化は特にない。とりあえず健太にぼろぼろのマントを装備してもらう。すると気のせいかふわりとマントがなびいている…風もないのにだ。
「なびいているな…」
「ああ…ちょっと『合成』重ねてみるか」
さらに『合成』を重ね浮遊+5にする。するとマントはさらに浮き上がり自由にバサバサと動き出した。穴が開いて風が吹いていないのにだ。
「やばい…ちょっと面白い」
「おおっこれ気のせいか少し俺も浮いてんじゃね」
その場でジャンプを繰り返す健太の足が音を立てない。ちなみに面白いと俺が言ったのはそのマントを装備している健太の姿なんだが…まあ黙っておこう。
「+10も試すか…」
「やってくれっ」
『合成』でマントにさらに浮遊+5の羽を『合成』する。これで浮遊+10になった。マントの状態は…うん、これは失敗だな。
健太の肩から真上にマントが立ち上がっている。見ている分には面白いのだが…こんなものは誰も装備したくないだろう。まあとりあえず見た目はおいておいて効果だけ見ると中々なのかもしれない。今度は健太の足が完全に5センチほど浮いていた。ジャンプするとフワリと動き、気持ちジャンプの高さが上がった気もする。
「俺飛んでる…!」
「浮いてるの間違いだろう…?」
健太は嬉しそうにフワフワと歩き回っている。でもどう見てもマントに吊り下げられている見た目なんだよな…他のものにつけないとこれは使えないな。靴か、リュックかって所か?それともまた全然関係ないものにつけて必要なときにだけ使うものにするか悩みどころだ。
とりあえず浮遊+10を後2つ作ってリュックにしまっておき、俺と健太はダンジョンの中へ入っていった。そのとき健太はそのぼろぼろのマントを取り替えず入っていくもんだから、出会いがしらにファーナさんに大笑いされてしまった。




