第76話 ソロ活動3日目2
ダンジョンとか魔物とか魔法とかスキルとか…今俺は本来ならありえないであろうことを体験している。この非現実的な状況にも関わらず俺が俺でいられるのは健太という友人が一緒に行動していたからだろう。でもあれだけはだめだ。非現実的なのだが、そうとも言い切れないあたりが俺は恐ろしい。あの透けた体…存在感の薄さ…そう幽霊というヤツだ。でもその存在は俺は認めたくはない。ありそうでなさそうな、でもあったら一番怖いものだ。
そんなことを考えていたら真っ暗だった視界が段々光りを取り入れ周りが見え始めてきた。まるでどこかの部屋みたいなところで俺は寝ていたらしい。全体的に壁は白く少ないながらにも最低限用意された家具。そして目に入る扉…
「……」
「……?」
その扉からこっちを覗いている白い少女。
「うわああああああ?!」
「ひゃあああああ??」
ばっちりと目が合ってしまいお互いが同じ理由かわからないが叫び声を上げる。俺は寝ていた布団を頭から被り今の状況がどういうことなのか考えていた。
さっき見た白い少女はダンジョンの1階であった人物で間違いないとは思う…顔とかはっきり見たわけではないがあの白くて長い髪の毛と白い服装はそういるもんでもないからな。でもさっきと違うところもあって、透けていないし俺としっかり目を合わせていた。…幽霊じゃない?とすると透けて見えたあれは一体なんだったのかということなんだが。
「あの~~…」
再びさきほどの少女が扉の影から声をかけてくる。俺は布団からそっと顔を覗かせ様子を眺める。少女はまた半分ほど扉の影に隠れてこっちを見ていた。
「…っていうかここはどこなんだっ」
「ひゃわわっ」
布団から飛び起き後回しにされていたことを口にするとまた少女を驚かせてしまったらしい。慌てて扉の影に隠れているが今度は服の裾が見えている。
「あの~あの~…ここ私の家…みたいなところ、です…」
「みたいなところ?」
ゆっくりと扉の影から出てきつつ俺の質問に答えてくれた少女はどこか申し訳なさそうな顔をしていた。
「は、はいっ倒れてましたので、流石にあのままというわけにはいかなくて……」
そうか、やっぱりあの時見た透けていたのはやはりこの少女で間違いないようだ。そしておれは会話から考えるとこの子の家に運ばれてきたってことなんだろう。でも変な話だよな。俺のプレハブに向かったほうが早いのに何故かそっちじゃなくてこの子の家に連れて来られたってのが。
「君の家の位置は知らないけど、俺の部屋のが多分近いはずなんだが…なんでここに?」
わからないことははっきりと聞けば解決するだろう。俺がそのままずばりと聞いてみると、少女はひとめで見てもわかるほど落ち込んでいた。
「私…ダンジョンの外に出られないんです……」
その言葉は幽霊に合うよりも衝撃的だった。




